6月から始まった定額減税で、手取りアップを感じた人もいる一方で、経理担当者からは作業の負担を訴える声も聞こえてきます。

 仙台市青葉区のホテルJALシティ仙台は25日が給料日で、給与明細が配布されました。

 明細を確認した従業員は、定額減税による手取りアップを実感しているようでした。

 明細を見ると所得税と住民税の欄はゼロで、欄外に定額減税の金額が記載されています。

 ホテルJALシティ仙台石井裕也さん「2人の子どもにおもちゃとか好きな物、ゲームとか買ってあげられたらなって思っています」

 6月から始まった定額減税は、1人当たり年間で所得税が3万円、住民税が1万円減税されます。手取りが増えるのはうれしい一方、定額減税の作業を担当する従業員の負担は決して軽くありません。

 こちらのホテルには約50人の従業員がいますが、給与に関する事務作業は担当者が1人で行っています。

 ホテルJALシティ仙台内藤薫さん「ある程度、自動計算でソフトがやってくれるとは思うんですけど、初めてのケースなので自分でも確認をしなきゃいけないところもがあるので」

 計算は、給与ソフトが自動でしてくれますが、間違いが無いか1つ1つ確認する必要があり、作業が増えていると話します。

 7月にボーナスが支給されますが、その作業にも不安を抱えています。

 ホテルJALシティ仙台内藤薫さん「普段とまた2ステップくらい多いやり方で賞与の計算をする形になるので、大変だとは思います。手間しかないかなっていうのが正直なとこですね」

 定額減税をめぐっては、還付金の手続きを語った不審な電話が宮城県でも確認されていて、警察が注意を呼び掛けています。

 警察によりますと24日、仙台市太白区に住む60代女性に、税務署の職員を装った男から「定額減税の手続きをするために通帳とキャッシュカードを持ってATMに行ってください。ATMに着いたらこの番号に電話をしてください」などと電話がありました。

 指示に従った女性は、ATMで男に電話をかけたところパネルを操作をするように言われ、操作していたところ現金49万円を振り込む手続きであることに気付きました。

 不審に思った女性がその場で電話を切り、警察に相談したことで事件が発覚しました。
 仙台市青葉区でも24日、定額減税の手続きを装った不審な電話が確認されているということです。

 警察は特殊詐欺事件として捜査するとともに「公的機関が還付金の手続きでATMを操作させることはない。不審に思ったら1回電話を切り警察や周りの人に相談してほしい」と注意を呼び掛けています。