動きの遅い台風10号。大雨の影響が広がっています。来月1日の午前中にかけて関東甲信や東海で線状降水帯が発生し、災害発生の危険が高まる恐れがあります。

■岐阜・大垣市の一部「緊急安全確保」

 全国各地に大きな被害をもたらしている台風10号。今月31日午前10時すぎ、岐阜県を流れる杭瀬川ではすでに水位がいつもより上昇していました。

近所の住民 「いつもよりは多い。いつもはほとんど(水深)20~30センチの川なので、だいぶ増えている、やっぱり。ちょっと心配している、あふれると大変なことになるので」

 その後も雨脚は弱まらず水位は上昇。杭瀬川に合流する相川では茶色く濁った水が激しく流れていました。

 午前11時ごろ、取材していた所とは違う場所で杭瀬川が氾濫。大垣市災害対策本部は赤坂東地区の685世帯、2049人を対象に最も危険性の高い警戒レベル5、緊急安全確保情報を発令しました。

 午後1時半ごろの杭瀬川です。雨は小降りになったものの、水位は高いまま…。沿道では車の姿が見えますが、その先の消防車両が走っている場所は冠水しています。杭瀬川が氾濫したのではなく、下水道や用水路などの排水が追い付かない「内水氾濫」が起きたとみられます。

 冠水した道路を車が走る危険な状況となり、なかにはエンジンが止まってしまった車の姿も…。

近隣住民 「ひどい、こんなの初めてですよ。聞いたことないです」

 大垣市では午後4時までの24時間に降った雨の量が平年8月に降る雨の約6割にあたる108ミリとなりました。

近隣住民 「海に来たかなと思うくらいびっくりしちゃった。こんなに早く水が来ると思わなかったから、皆驚いているんじゃないかな」

 現在、紀伊半島付近を比較的ゆっくりとした速度で進んでいる台風10号はこの後、進路を北よりに変えて進むとみられ、来月2日には熱帯低気圧に変わる見込みです。

 暴風域はなくなったものの、台風からの湿った空気の流れ込みは続くため、近畿から東海、関東を中心に大雨となる恐れがあり、警戒が必要です。

■関東甲信 線状降水帯発生の恐れ

 31日午前中、雨が小康状態だった東京都内…。ノロノロと進み、進路が読めない状況が続いている台風10号。東京・台場周辺に降った雨を捉えたカメラを見ると、わずか20分間に画面が白くなるほど雨が降った後、あっという間に通り過ぎていきました。

 気象庁は午後、関東甲信1都8県に夜から来月1日午前中にかけて線状降水帯が発生する可能性があると発表。大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあるということです。

 土砂崩れの瞬間を捉えた映像です。画面左側から水分を含んだ土砂が流れてきました。被害はこれで収まったかと思われましたが、約1時間後、再び、同じ場所で…。第1波より規模が大きい土砂が流れてきました。一度、土砂が崩れた場所がいかに危険か思い知らされる映像でした。

 宮崎県では竜巻とみられる突風が発生し、39人が負傷する被害などが発生。

 台風10号の影響により、これまでに6人が死亡、けがした人は100人以上に上っていて、1人の行方が分からなくなっています。