テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環でSDGs企画をお伝えします。27日のテーマは「飢餓をゼロに」です。暑さに負けない持続可能なコメ作りの最先端を取材しました。

農研機構 作物研究部門 後藤明俊グループ長 「(Q.この辺りは稲が一面広がっていますけど、これは今研究中のものですが?)新しく作っているものでして、まだ世間に出る前の品種だったりします」

 訪ねたのは農研機構。一見普通の田んぼに見えますが、実は新しい品種などの研究を進めている国立研究機関の試験場で、水田には、およそ2000種類もの調査用の稲が植えられています。

 近年では、コメの生産に大きな被害をもたらしている猛暑対策として、高温下でも品質の低下や収穫量の減少が起こりにくい「高温耐性品種」への転換が進んでいます。

 暑さへの耐性を調べるためにこんな施設も。

後藤明俊グループ長 「水田の上にビニールハウスを設置して、通常より温度が高い場合、稲がどう育つのか、コメの障害具合を調べる施設です」

 高温耐性品種は、地域に合わせたものがすでに数十種類あり、取り入れる農家も増えてきています。

田仲農場 田仲利彰社長 「我々の栽培努力を超えるレベルで外の気温が暑くなってきた」

 田仲農園では、去年の猛暑被害を受け今年は、高温耐性品種の作付けを6割に増やしました。

 ただ、それでも白く濁ってしまうなどの被害が出たといいます。

田仲利彰社長 「(暑さに強い)品種を選んでも、品質が低下している事実がある」 「(Q.それは、つまり、気温の方が勝ってきている?)そういうことです」

 コメの新品種の開発には10年かかるとも言われていますが、農研では、開発期間の短縮やさらなる高温耐性の強化を目指していてます。

後藤明俊グループ長 「これからの時代に合うタイプ。模索しないといけない。ちゃんと採れて美味しくて品質のいいもの。つくるように努力している」

 農研機構では、これまでに7種類の高温耐性品種を開発していて今後も観測記録を塗り替える暑さに対抗できるものを作っていくそうです。