ふるさと納税で多額の寄付を得たことで国が特別交付金を減額したのは違法として大阪府泉佐野市が国に取り消しを求めた裁判で、最高裁は2審判決を破棄し、大阪高裁に差し戻す判決を言い渡しました。

 泉佐野市は、ふるさと納税で多額の寄付を集めたことを理由に2019年度の特別交付税を前年度から約4億4000万円減らされたことは「懲罰的」だとして決定を取り消すように求め、国を訴えています。

 1審の大阪地裁は「減額は法律の範囲を逸脱し、違法」だとして、決定を取り消す判決を言い渡しました。

 一方、2審の大阪高裁は「市の訴えは行政権内部での調整にゆだねられている」などとして、「司法が判断するのは不適法」として市の訴えを却下し、逆転敗訴となりました。

 市は不服として最高裁に上告していました。

 最高裁は今月27日の判決で「特別交付税は条件や使途の制限なく交付するもので、具体的な額は総務大臣の決定で定められる」と指摘したうえで、減額の取り消しを求める訴えは「法律関係の存否に関する紛争にあたる」とし、裁判の対象になるとしました。

 そのうえで2審判決を破棄し、審理を大阪高裁に差し戻しました。

 差し戻しの裁判では決定の違法性などが審理される見通しです。