延焼が続く岩手県大船渡市の山火事では27日午後、避難指示の区域が拡大されました。一方、山梨県でも森林火災が発生し、今も火の勢いが収まっていません。

■大船渡火災 避難指示区域を拡大

 26日、大船渡市で新たに発生した複数の山林火災。27日も最大瞬間風速18メートルが観測されるなど延焼が続き、大船渡市は27日午後、避難指示エリアを拡大しました。

 さらに、新たな被害も…。

 27日、路肩に倒れている男性とみられる遺体が見つかりました。遺体は焼死体で、警察は身元の特定を急いでいます。

 26日午後1時ごろ、大船渡市赤崎町合足で発生した山林火災。当時の山火事の様子を捉えた映像では、強風による「風切り音」が確認できます。

 火は強風にあおられて大船渡市三陸町綾里方面へと移って延焼が拡大。26日午後5時現在、焼失面積は600万平方メートル以上となっています。約4時間で東京ドーム約128個分、東京・千代田区の約半分の面積が焼けた計算になります。

 山林から立ち昇るもの凄い量の白煙。広範囲に渡っています。27日朝からはヘリコプターによる消火活動を開始。空中から水がまかれました。

 自衛隊のヘリ2機のほか、他県の防災ヘリなど6機が消火活動にあたりました。

 26日、最初に火が確認された赤崎町合足漁港付近では、焼け残った黒い木々と建物の焼け跡が…。これまでに84軒以上の住宅に被害を確認。さらに拡大するとみられています。

避難している住民 「すごいね…何とも言えないね」

 大船渡市は27日午後に避難指示の区域を拡大。新たに赤崎町外口など1340世帯、3306人が対象になりました。

避難している人(岩手・赤崎町の住人) 「皆、慌てて逃げましたよ、うちらがいるところは」 「(Q.今、一番心配なことは?)やっぱり自宅じゃないですかね。住むところがなくなったら大変ですものね。行って見ることもできないし」

避難している人 「不安がどうなるんだろうとこれから。家がなくなったらこれから先どうしたらいいのか、そういう色んなことが頭の中をグルグル回っているような感じで、どうしようもないね。だから早く火が消えてくれることを願うしかないもんね」

■山梨でも山火事 延焼続く

 一方、山梨県大月市でも26日昼すぎに山火事が発生。こちらも火の勢いが収まらず、現在も延焼中です。

地元住民 「乾燥しているから、いつ火が出るか分からない。人ごとじゃないですよ、本当に。早く鎮火してほしいんですけど心配ですよね」 「そこらじゅうで今、山火事になっているじゃないですか。火は怖いなと思っております」

 26日午後5時時点で約36万平方メートルが焼けていますが、現在までのところ、人的被害は確認されていません。