2011年のあの日、当時は幼く現実を受け入れることもできなかったこどもたち。
しかし14年が経過して、それぞれ当時の記憶を胸に
“あの時があったからこそ”選択した人生を歩んでいる。
今何を思い、何を感じ、どんな壁に直面しているのか。
ジャーナリストの柳澤秀夫さん(福島県会津若松市出身)が
岩手・宮城・福島の3県で当時のこどもたちと対面して取材する。
そこから見えてきたのは14年経ったからこそ生まれた【被災地の新たな課題】だった。
出演:柳澤秀夫(元NHK解説委員)、IATアナウンサー 今井悠貴、
khbアナウンサー 鈴木奏斗、KFBアナウンサー 高橋ひかり
岩手 津波から避難したあの日
伝承施設で語り続ける
岩手・釜石市で出会ったのは、震災当時中学生だった女性。
日頃の防災学習や訓練のおかげで、地震後すぐに高台へ避難、津波から逃れることができました。
高校卒業後は山梨の大学に進学しましたが、卒業と同時にUターン就職。
今は市内の震災伝承施設で働き、訪れる人たちに当時の様子を伝え続けています。
故郷で語り部として生きる、彼女の思いに迫ります。
宮城 大川小の「奇跡の少年」
母校の隣に交流拠点を
児童・教職員合わせて84人が犠牲となった、宮城・石巻市の大川小学校。
助かった男性は「奇跡の少年」と報じられ、注目されてきました。
そのことに葛藤を抱え、メディアから距離を置いたことも。
今は震災遺構となり、多くの人たちが訪れる母校。
その隣で交流拠点を作るプロジェクトを始めた、男性の活動を取材しました。
福島 故郷に戻り働く町職員
自宅解体して次への一歩
福島・双葉町では、町の職員として働く女性を取材。
福島第一原発の事故により、小学4年生の時に避難を余儀なくされました。
14年を迎えて、帰還困難区域にある自宅はまもなく解体が始まります。
思い出が詰まった場所がなくなることに、悲しみを感じながらも次への一歩を進もうとしています。