「BA.5対策強化宣言」にはどのような効果が期待できるのでしょうか。感染症の専門家に聞きました。
「BA.5対策強化宣言」は都道府県が判断するもので、病床使用率が50%を超え中等症以上の患者が多いなどの条件を満たす場合に出すことを想定しています。
神奈川県は8月2日から31日までを期間に「宣言」を出し、基本的な感染対策の徹底のほか、重症化リスクが低い人は発熱などの症状があっても医療機関を受診せず、自主療養することなどを呼びかけています。
また、来週からは高齢者施設など約5000カ所に抗原検査キットを配布し、感染の拡大防止を呼びかける方針です。
この宣言の効果について感染症に詳しい長崎大学大学院の森内浩幸教授は、次のように分析しています。
森内教授「感染の勢いを鈍らせている間に、高齢者や基礎疾患のある人の4回目のワクチン接種を進めたり、そういうリスクの高い人たちの診療体制をきちんと確保するために、そのほかの人たちに検査だけが目的だということを控えてもらったり、もしくは別の形で検査してもらえるようにする。それぞれの自治体、医師会で工夫していく、その時間稼ぎをするために、感染の勢いを鈍らせるということでは、十分に意義のあることだと思います」
村井知事は8月5日に「みやぎBA.5対策強化宣言」を出す考えですが、森内教授は明確な数値目標を示さなければ効果は出ないと話します。
森内教授「60歳以上の4回目接種率を80パーセント以上になったらそういう制限を取っ払おうとか、何か出口と目的をきちんと示さなければ有効性は低い。『やってられないよ』という人がいっぱい出てくるわけですよね。でもそれは、目的をちゃんと示し、出口、『ここまではやりましょう』ということだったら、守ってくれる可能性は高くなると思います。ですので、自治体ごとにきちんと目的と出口を示すということは必ずセットにしておくべきだと私は思っています」
BA.5対策強化宣言をめぐっては8月3日までに神奈川県や熊本県など7府県が対象に含まれています。