宮城県女川町では、震災の津波で12人が犠牲になった七十七銀行女川支店の行員の家族らが海で祈りを捧げました。

 海で献花する遺族「帰って来い!待ってるぞ!」

 高松康雄さんは、今も妻・祐子さんの行方が分かっていません。

 自らも海に潜り、これまでに550回を超える捜索を続けてきました。

 高松康雄さん「11年経ってしまいましたけど、あきらめませんよということは思って手を合わせていました」

 石巻市の佐藤美香さんは、日和幼稚園の送迎バスに乗っていた当時6歳の娘、愛梨ちゃんを亡くしました。

 美香さんはあの日、何があったのかを子どもたちに伝えるため、宮城学院女子大学の学生と協力して絵本の制作に取り組んでいます。

 佐藤美香さん「どうやったら小さい子だったり震災を知らない子どもたちに伝えられるかなという思いで、いろいろと考えながら過ごした1年間でした」

 仙台市若林区荒浜では、震災遺構の荒浜小学校に卒業生の有志らが集まり、花の種が入った約800個の風船を空に飛ばしました。

 主催団体代表高山智行さん「震災から11年まで、沿岸部の方だったり被災した方がどのように過ごしてきたのか。どういう思いでこういう場所に来たのか。思いをはせ過ごせる時間をこれからも作っていく必要があるんじゃないかと考えています」