宮城県内でも15日に梅雨入りし、水による災害のリスクが高まるシーズンに入りました。

 国は、河川の氾濫の恐れが高まった時に発表される氾濫危険情報の運用ルールを変更し、3時間以内に氾濫する恐れがあると予測された場合、前倒しで発表することを決めました。

 国土交通省などが発表する氾濫危険情報は、自治体が避難指示を出す際の目安となる情報です。

 これまでは、河川の水位が氾濫危険水位に達した段階で発表されていました。

 予測技術の精度が向上したことから、今後は予測に基づいて、3時間以内に氾濫する可能性のある水位に達すると予測された場合にも発表するよう、運用のルールが見直されました。

 前倒しで情報を出すことで、早く避難を始めてもらうのが狙いです。

 東北地方整備局水災害予報センター斉藤正道センター長「今(氾濫危険水位)までの水位上昇のスピードに対して、ここ(氾濫危険水位到達)から突然急激に(水位が)上がる場合もあると逃げ遅れてしまう。ここ(氾濫危険水位)で動くよりも予測で動いた方が判断も行動も早くなる」

 対象となるのは、国が管理する全国298の河川で、県内では阿武隈川や北上川、吉田川など12の河川です。

 2019年の台風19号では、県内の多くの河川で氾濫や決壊が相次ぎ、丸森町では阿武隈川の水位が上昇したことで支流が氾濫し浸水する地域もありました。

 東北地方整備局水災害予報センター斉藤正道センター長「(丸森町は)低平地が続いているので氾濫した場合の逃げる所が、隣の町まで逃げないと安全な所がない。逃げるためには時間がかかるので、今回のような3時間先(の予測)で少しでも逃げるための時間を稼ぐため早い予測で(情報を)出すのが有効かと思います」