東京電力福島第一原発の処理水について、1回目の放出が11日に完了しました。宮城県の魚市場では魚の価格に大きな変化は無く、関係者は胸をなで下ろす一方、加工や流通といった水産業を支える業種にも目配りした支援を求めています。
東京電力は8月24日から始めた福島第一原発の処理水の1回目の放出について、11日に完了したと発表しました。放出量は、タンク10基に入っていた約7800トンでした。
海水のモニタリング結果は、トリチウムを検出できる下限を下回っていて、東京電力は早ければ10月上旬にも2回目の放出を始める予定です。
石巻魚市場では、12日朝もさまざまな魚が水揚げされ活気を見せていました。放出の前から懸念していた、買い控えによる値崩れは起きていないということです。
石巻魚市場佐々木茂樹社長「心配はしていたんですけれども、魚価の影響はほとんど感じられません」
関係者は胸をなで下ろす一方、宮城県が11日に発表した水産業への経営支援策で、対象が漁業者に絞られたことに割り切れなさを感じています。
石巻魚市場佐々木茂樹社長「漁業者については手厚い保護があるように聞いてますけれども、加工業者は今までもですけれども自助努力でしなさいということで。最終的には漁業が成り立つのは水産加工業者があってのことなので、そちらの方にも全面的な支援をお願いしたい」
なお、魚に含まれるトリチウムの検査でも検出できる下限を下回っていて、この検査は放出していない期間も含め9月中旬までは毎日行うということです。