東北大学の研究チームが小惑星リュウグウの試料を分析し、太陽の近くでできた粒子が宇宙空間を大移動し、リュウグウの一部を形成していたことを発見しました。太陽系の進化の謎の解明につながると期待されています。

 小惑星リュウグウの試料に含まれる粒子を分析している東北大学のチームが、最新の研究成果を報告しました。

 2021年6月から行った初期分析では、マイナス200℃以下の環境で形成されたとされるリュウグウの試料から、1000℃を超える高温環境でできた粒子が見つかっていました。

 この粒子の組成を詳しく調べたところ、地球から太陽までの距離の10倍に当たる約15億キロ離れた太陽の近くでできたことが判明しました。

 太陽は重力が大きいことから付近の粒子が移動することは難しいと考えられていたため、東北大学ではどのようにして粒子が宇宙空間を大移動したのか明らかにしたいとしています。

 東北大学大学院理学研究科中嶋大輔講師「太陽のすごく近くにあった物質が、太陽から遠く離れた領域まで運ばれていったというのがだんだん見えていったので、目標は太陽系の一番最初の状態、原始太陽系円盤の中で何が起きていたかを明らかにすること」

 研究成果は、太陽系の進化の過程や地球の成り立ちの解明につながると期待されていて、16日に世界的な科学誌、ネイチャーコミュニケーションズに掲載されました。