突然の激しい雷雨。近年、猛烈な雨に排水が追い付かず、市街地が浸水する「内水氾濫」のリスクが高まっています。

 特に高速道路や鉄道などの下を通るアンダーパスは冠水しやすく、車が水没するケースが相次いでいます。

 すでに広い範囲で大雨をもたらしている台風10号。

 車を運転する場合、どのような場所に注意すべきなのか、実際に街中を走りながら「車のプロ」に教えてもらいました。

JAF(日本自動車連盟)愛知支部 吉田英治さん 「アンダーパスですね。水の中に車を入れてしまうと、すごく水の抵抗があって、なかなか車も進みづらくなってきます」

 JAFの実験映像を見ると、60センチの深さまで冠水した道路に乗り入れた車は途中で止まってしまいました。エンジン内部にまで水が入ったためとみられます。水深30センチほどでもエンジンが止まる危険性があるということです。

 冠水するのはアンダーパスだけではありません。

JAF愛知支部 吉田英治さん 「意外な盲点なところで、アンダーパスのように下がるような雰囲気もなく、ずっと平らな道路が続いているんですけど、周りの全体の地形からみると低い位置になりますので、ここに水がたまってしまった」

 実際、この場所では過去に道路が冠水し、複数の車が立ち往生していました。

 このようなケースに備え、多くの自治体ではどの場所で冠水や浸水が発生するかを予想した地図「内水ハザードマップ」を作成しています。

 冠水した道路で立ち往生し、水圧の影響でドアが開かなくなった場合に必要なのが「緊急脱出用ハンマー」です。

 例えば「ポンチ式脱出用ハンマー」は、車の窓ガラスに押し当ててスイッチを押すと割ることができます。

JAF愛知支部 吉田英治さん 「ここの先からとがったものが出てきますので」

 何が起こるか分からない悪天候での運転。こんな備えが必要です。

JAF愛知支部 吉田英治さん 「事前に内水ハザードマップで地形とかの確認。気象情報、迂回(うかい)ルートまで見ていただいて、どこで通行止めがないか事前に情報を得ておく」

 事前の備えが何より大切です。