経団連は2040年に向けた中期ビジョンを策定し、社会保障制度改革の中で富裕層への課税を強化することや新たな道州圏域構想を初めて盛り込みました。
経団連 十倉雅和会長 「税と社会保障の一体改革をやって、ジェネレーション世代による分断と格差を避けて、公正公平な社会保障政策をやっていかないと。ここは逃げずにですね、時間かかります。税の問題も入ります。真正面から議論してほしい」
経団連の十倉会長が任期最後の1年に集大成として取りまとめた中期ビジョンでは、2040年に目指す社会の姿として社会保障制度や地方創生、教育・労働など6つの分野について施策などをまとめました。
社会保障制度改革では富裕層に対する所得税を段階的に引き上げ、5兆円程度の財源を確保して社会保険料の増加分に充てることで現役世代の負担を軽減するという案を提示しました。
これによって個人消費が拡大し、経済成長につながる好循環を生み出すことができるとしています。
それでも財源が不足する場合は、消費税を引き上げるといった対応も必要だとしました。
また、専業主婦世帯を前提とした現在の制度を見直し、会社員の配偶者らが一定の年収までは、保険料を支払わずに基礎年金を受け取れる「第3号被保険者制度」や配偶者控除の見直しも求めています。
また、「新たな道州圏域構想」として、区割りは行わずに仮想的な広域ブロックを設け、独自に施策などを行うことを提案しています。
具体的には広域的な交通網や高等教育、高度医療などの連携を挙げています。