社会保険への加入によって年収が減ることになる、いわゆる「年収106万円の壁」について、厚生労働省は106万円の枠を撤廃するとともに年収156万円未満に限り企業側が保険料の負担を増やせる案を示しました。

 現在、年収が106万円以上になると社会保険への加入義務が発生します。

 このため年収が106万円以上にならないよう働くのを控えるパートなどの短時間労働者がいますが、厚労省は厚生年金の加入者の範囲を広げるため、いわゆる「年収106万円の壁」を撤廃するなどの方針を示しました。

 これにより、パートなどの短時間労働者は将来受け取る年金額が増える一方、現在の手取りが減る懸念があります。

 このため、厚労省は労働者と事業主とで折半している保険料の負担の割合を変更できる案を示していましたが、10日の部会では、負担割合を変更できるのは年収156万円未満とする案を新たに示しました。

 労働者と事業主の合意をもとに事業主の負担を増やすなど割合を変えられるとしていますが、労働者の負担をゼロにすることは認めず、また、期間は限定するとしています。

 また、事業主の保険料負担軽減についても今後検討するとしています。