地方や一部の診療科で医師が不足している「医師偏在」問題で、厚生労働省の検討会は不足地域で開業する医師を経済的に支援するなどの具体的な対策案を発表しました。

 10日に検討会が取りまとめた医師偏在の対策案では、重点的に支援すべき医師不足の地域を指定したうえで、その地域で開業する医師に対して経済的な支援を行うことなどが盛り込まれました。

 また、医師不足の地域へ派遣される医師や派遣元の医療機関に対しても支援を行うとしています。

 財源として健康保険組合や自治体など保険者からの拠出も検討するということです。

 一方、都道府県は医師が多数いる地域での開業を希望する医師に対し、開業前の一定期間、医師不足の地域で医療を提供するよう要請できるとしました。

 この要請に従わない場合、都道府県は補助金を交付しないことや医療機関名を公表できるようにすることなどが検討されています。

 厚労省は検討会での議論を踏まえ、年内にも総合的な対策を策定するとしています。