アメリカのトランプ次期大統領は、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河を巡ってアメリカの商船などが支払う通航料が高すぎると不満を口にし、管理権の返還要求も辞さない考えを示しました。
トランプ次期大統領 「わが国の海軍と商船は、非常に不公平かつ不適切な扱いを受けてきた。パナマが課している通航料は馬鹿げたもので、非常に不公平だ」
トランプ氏は22日、保守系団体のイベントで支持者を前に演説し、パナマ運河を建設する際にアメリカが多大な役割を果たしたと強調したうえで、アメリカの軍艦や商船が支払う運河通航料が「ぼったくりだ」などと批判しました。
かつてアメリカが運河を管理していた歴史にも触れ、通航料を引き下げなければ「アメリカに管理権を返還することを要求する」と主張しました。
パナマ運河は、太平洋と大西洋を結ぶ世界の物流の要衝で、発着地別の貨物量ではトップのアメリカに中国、日本が続きます。
また、パナマ運河に隣接する港の一部を香港に拠点を置く中国系企業が管理していることを念頭に、運河の管理が「誤った相手の手に渡ってしまっている」と述べ、中国の影響力拡大に警戒感を示しています。
一方、パナマのムリーノ大統領はSNSに投稿した動画で、「パナマ運河とその周辺地域すべてはパナマのものであり、今後もパナマのものである」と述べ、トランプ氏の主張を切って捨てました。