上空から撮影した東京近郊の観光地の様子。今年は“飛び石連休”とはいえ、どこも混み合っています。そんな行列の先に、今年のGWの世相が見えてきました。
■幕張メッセに集結“推し活”12万人
行楽日和となったゴールデンウィーク2日目。小岩井農場では、夏を前に羊の毛刈りが…刈ったばかりの羊の毛に、子どもたちは興味津々です。 今年は、“飛び石”連休のため、混雑を避け、旅行時期をずらす傾向のようです。 しかし“この現象”ばかりは避けられないようで… (草薙和輝アナウンサー)「幕張メッセの上空にやってきました。列ができていますね。建物沿いにご覧のような行列。先の方まで続いています。きょうは日差しも強いので日向にいる方は傘をさしている様子も見られます」 午前7時半から伸び始めた行列は、約2時間で、ご覧の通り…。そんな行列の先にあったのは… (山本将司ディレクター)「午前10時です。いま扉が開きました!行列に並んでいた人たちが一斉に中に入っていきます」 “日本最大級のサブカルチャーの祭典”として、26日から行われている、このイベント。人気の動画配信者や、コスプレなどを目当てに、2日間で全国各地から約12万人が訪れる、いわゆる“推し活”の場です なかでも目立つのは、バッグの表面に同じキャラクターの缶バッジを並べた、通称“痛バッグ”をさげた人たち… (“推し活”する人)「レート(人気度)もあるので、ひどいときは(缶バッジ)1個3000円超えたりとかするものもあったり。他にも少し持ってるけど、それを合わせると100万円はいかないけど50万円はいきました」
いま、“推し活人口”は、約1400万人とも言われています。その費用は、推計で年間約3兆5000億円。1人あたり年間で、25万円以上使っていると言います。大事そうに“痛バック”を抱えている人がいました。 「これは、“桜華忠臣”というキャラクターで、最推しです」 “推し活”を始めて8年という終さん。飲食店で働く20代です。 (“推し活ネーム”終さん(20代))「あっ、こっち!これかも?」 広い会場のなか、友人とともにお目当てのキャラクターを探すのもひと苦労。この日の“戦利品”を見せてもらうと… (“推し活ネーム”終さん(20代))「“くろうめ(絵師)”さんのアクリルキーホルダーとか、絵師様のイラスト本、一押しはこれです」 などなど、しめて15000円。年間で100万円以上使っているといいます。 Q.懐的には? 「痛いです。めちゃくちゃ痛いです」 ではなぜ、ゴールデンウィークに“推し活”を? 「推しとかいなかった時は、お金とか貯めていても、自分の日常的なものにばかり消える一方で、物足りないなと思ったりしたんですけど、推しと出会ってからは、キャラクターとかでいろんな方との交流とか、(推しの)イラストを書いてくださった方に、認知されたのがすごいうれしくて、これからもずっと推していこうと思いました」
■“絶景独り占め”観光客がダッシュ
ここでも早朝から行列が… (金子友広ディレクター)「午前6時50分のひたち海浜公園です。まだ開園前ですが、ご覧のように多くの人が開園を待っています」 (茨城・結城市から)「4時半すぎに家を出て、混むって分かっていたので…」 (茨城・つくば市から)「人が少ないところで(写真を)撮りたいなって思って…」 みなさんのお目当ては…約530万本のこのネモフィラ。誰もいない青一色を独り占めできる「映え写真」を撮るためです。そして… (金子友広ディレクター)「開園時間の午前7時になりました。ゲートが開き、みなさん、一斉に入っていきます」 中には、我先にとダッシュする人も… 「はい行くよ」 子どもたちをカートに乗せて走るこちらの家族。早朝5時につくば市の自宅を出て、ベストポジションを目指します。 「曲がるよ」 「人がいないのを狙って頑張っています」 Q.お父さん、大丈夫ですかね? 「貧血になりそうですね。でも子どもたちうれしそうで良かったです」 Q.楽しい? 「何か、こういう感じでぬける気がする。あ、ぬけるぬける。あ、その辺その辺…いい感じ、いい感じ。ポーズ」 「子どもの写真は撮れました。よかったです」 Q.走ったかいは? 「ありました」 写真を撮り終わった頃には、この通り、ネモフィラ畑は、観光客で一杯になりました。
■道の駅に早朝行列熾烈な争奪戦も
今の物価高や円安の影響は、ゴールデンウィークの行先にも…。 (草薙和輝アナウンサー)「千葉県木更津市の上空にやって来ました。こちらは道の駅ですかね、車がかなりの数停まっています。そして、この建物の前ですね、行列が出来ています」 午前7時半の道の駅。 「オープンまで1時間以上あるんですけれど、ものすごい行列です」 (前方に並んだ客)「大体7時までには来てないと」 (最後尾に並んだ客)「まさかですね。結構早く来たつもりだったんですけど…」 「32、33、34、35…」 「どんどん伸びています。もう70人を超えているということです」 みなさんのお目当ては… 「お待たせいたしましたー!ただいまから“タマネギ詰め放題”スタートします!」 今が旬の「新タマネギ」の詰め放題。ビニール袋にどれだけ詰めても500円です。 「出ちゃうかも…」 「あー!」 (スタッフ)「あとで拾うので大丈夫ですよ」 「ごめんね」 「3、2、1、0、はーい!」 こちらの女性は限界まで詰め込み、通常1キロ400円のタマネギを500円で2キロもゲット。 (千葉・流山市から来た客)「お得ですよ!いま野菜が高いので」 こちらの家族は… (千葉・市原市から来た客)「まだまだ、まだいける!」 「楽しかったです」 Q.最後に大きいの入れましたね? 「大きいの1個は取っておかないと」 Q.GWの予定は? 「今のところまだないです」 今夜はタマネギ尽くしの夕食となったそうです。
■にぎわう東京観光 住宅街にも行列
(草薙和輝アナウンサー)「スカイツリーの麓では、たくさんの人がいますね。台湾のイベントが行われているようです。今日は天気も良いので、こうした外のイベントもにぎわっていますね」 浅草も…この人混み。仲見世通りには、すれ違うことが難しいほど多くの観光客が訪れていました。ただ、ゴールデンウィークに入って、行列ができたのは、観光地だけではありません。なぜか中野の住宅街にも… (福田剛士ディレクター)「待っていた方が続々と入っていきます」 中に入ると多くの客の姿が…並べられていたのは、中華麺にうどん、焼きそばや生パスタなどさまざまな種類の麺です。 (購入客)「毎月来ていて、いろんなスープのもととかもあるので、家で簡単に作れちゃうので、よく買いに来ちゃう」 ここは創業108年の老舗・製麺会社。毎月1回、10%ほど安い価格で直売会をしています。 (大成食品 宮井隆洋さん)「米の価格が上がってきたあたりから、2割程度売り上げが上がっている」 (購入客)「ガソリン代とか物価もあがっているので、ちょっと遠出とかはなかなか難しい。外食するよりは美味しく家庭でも食べられるので」 GWの過ごし方に関する調査では、今年は物価高などもあり、「自宅で過ごす」と答えた人が37%と最も多いそうです。 麺を購入したこちらの家族は…。 (購入客)「今日はうどんにしようかな。結構だしを頑張って作っているので、(夫が)自己流でやっています」 Q.GWはどう過ごしますか? 「家でゆっくり、近所でゆっくり過ごそうかな」
4月27日『有働Times』より