仙台育英の甲子園初優勝について、地域経済の専門家は、宮城にもたらす経済的な波及効果は160億円に上る可能性があると試算しました。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「一つは、企業も家計もこれまで落ち込んでいたマインドが上向くということが期待できると思います。もう一つは、東北の知名度が上がった。特に白河の関という言葉がかなり有名になったように、さまざまな全国から関心が寄せられるといったことによって、交流人口が増加するといったような効果も期待できるのではないかと」

 地域経済が専門で、七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、仙台育英の甲子園初優勝がもたらす最も大きな経済的波及効果として、宮城への関心が高まることによる観光客の増加を指摘します。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「4年前、2018年に秋田県の金足農業が準優勝した時の経済効果を日本銀行の秋田支店が試算しておりますけども、秋田県への観光客が1割増えるということに基づいて経済効果を99億円とはじいておりますが、宮城県のケースにあてはめて計算しますとだいたい160億円の経済効果があると

 また、優勝直後から地元の小売店や商業施設などが独自で行っている優勝セールやキャンペーンなど直接的な効果も加わり、総合的な波及効果は仙台の夏の風物詩、仙台七夕まつりに匹敵する可能性があると話します。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「仙台七夕まつりが3年ぶりにコロナ前と同じ規模で開催されましたが、来客はコロナ前を少し上回り、観光消費の方も約170億円とほぼ9割方の回復と。今回の総合的な経済波及効果は、コロナ前の七夕まつりに匹敵するということですから、極めて地元の経済にとっては大きいインパクトがあったのではないかと」

 田口さんは、白河の関に対する関心も高まっていることから、宮城にとどまらず福島県への経済効果も期待できると話していました。