年末の帰省客を直撃した日本航空へのサイバー攻撃。一体、誰が何のために攻撃をしたのか。専門家に聞きました。

■遅延で空港大混雑…帰省客も混乱

 26日午後2時、日本航空はサイバー攻撃による不具合から復旧したと発表しました。顧客データ流出やウイルス被害はなかったといいます。

 しかし、突然のことに空港内は混乱しました。

 日本航空によりますと、午前7時24分から利用客の手荷物を預かるシステムに不具合が出て、国内線と国際線の一部の便に遅れが生じるなどの影響が出ました。

 原因は日本航空内外をつなぐネットワークがサイバー攻撃を受けたためだといいます。

福岡に帰省する人 「飛行機が30分くらい遅れるという案内がきていた。チェックインする時は定刻通りと出ていたが今、見ると搭乗口と時間が変わった感じ」

 遅延と混乱は大阪府でも…。

アナウンス 「システム上のサイバー攻撃により出発が遅れています。新しい出発時刻が決まり次第、アナウンスでお知らせします」

中国に旅行する人 「(Q.サイバー攻撃と聞いて?)飛行機に乗るの怖いですね」

羽田経由で北海道に帰省する人 「(Q.サイバー攻撃と聞いて?)驚きですね。色んな業界でシステム障害が出たりするのを聞くので、そういうのはやめてほしい」 「乗り継ぎで、その乗り継ぎの羽田行きが遅れるかも。もしかしたら出ないかも、という情報をいただいている。きょうから仕事休みをもらって帰省。タイミングは最悪だと思うが、対応の職員はもっと大変だと思う。こればかりは致し方ないかな」

 また、北海道でも遅延のため大混雑になりました。

 日本航空は警視庁にサイバー攻撃の被害相談をしているといいます。

 捜査関係者によりますと、サイバー攻撃について日本航空は「DDoS攻撃」を受けたといいます。

■誰が何のために? JALにサイバー攻撃

 サイバーセキュリティー会社の「サイバージムジャパン」によりますと、DDos攻撃は大量のデータを一斉に送り付け、相手の正常なサービスの提供を妨害するものだといいます。

サイバージムジャパン 執行役員 河村正史氏 「パソコンだったりサーバーだったりスマートフォンだったり、いざDDoS攻撃を仕掛ける時は、そういった乗っ取ったコンピューターデバイスを使って一斉に同時に通信を送り始めるんですけど、1台だったらたかが知れてるんですけど、大量に世界中にある端末を使ってですね、一斉に行うっていう」

 国の研究機関「情報通信研究機構」によりますと、国内の政府機関や企業への「DDos攻撃」と同様のサイバー攻撃は去年、896万件あったといいます。

 今年5月にJR東日本のモバイルSuicaなどが使えなくなったのもDDos攻撃によるものでした。

サイバージムジャパン 執行役員 河村正史氏 「(Q.なぜ攻撃する?)何か主張したい、嫌がらせをしたい、反抗したいっていうような時に行うもの。DDoS攻撃っていうのは、どちらかというと嫌がらせをする攻撃ですので」

 そして、驚くべきデータもあります。

 データの調査・解析やサイバーセキュリティー事業などを担う「デジタルデータソリューション」によりますと、年末年始の長期休暇の前後はサイバー攻撃が増えるというのです。

 去年12月から今年2月は他の2倍以上になったといいます。

サイバージムジャパン 執行役員 河村正史氏 「大体ヨーロッパだと、クレジットカードのハイジャックだとか、あとは色んなデパートとか、そういうところはクリスマス前にやられるというのは多かったりします」

 サイバー攻撃は企業だけでなく、個人も注意が必要だといいます。

サイバージムジャパン 執行役員 河村正史氏 「今、色んなスパムメールだったりショートメッセージでも色んな変なメールがあって、どこかクリックすると感染するといわれている。もう、いくつもいくつもセキュリティーシステムを入れておかないといけないんですけども、そうやって極力やられないようにしておくのが重要」