4月に運用が始まった次世代放射光施設ナノテラスを利用する住友ゴム工業が、従来の3倍の解像度で観察に成功したとの研究成果を発表しました。

 ナノテラスの稼働に合わせて住友ゴム工業が研究拠点を設けた、仙台市青葉区のビルで発表会が開催されました。

 東北大学青葉山キャンパスにあるナノテラスは4月1日に稼働を始めた施設で、非常に明るい光=放射光を物質に当てることで、その構造をナノレベル=100万分の1ミリ単位で解析できる巨大な顕微鏡です。

 住友ゴム工業は4月9日から11日に、ナノテラスを使って軽量でドローンなどへの搭載が見込まれるリチウム硫黄電池の原材料を分析し、従来の約3倍の解像度で観察することに成功しました。

 ダンロップのブランドなどを展開するタイヤ事業でも、既に国内の別の放射光施設で分析した実績を商品開発につなげています。

 今後ナノテラスを活用することでタイヤの摩擦のしくみを更に詳しく分析し、グリップ力などをより高めた商品を作りたい考えです。

 住友ゴム工業岸本浩通先進技術イノベーション研究センター長「想像以上に素晴らしい施設で非常に使いやすくアクセスも良く、これからどんどん研究を進めていきたいなという施設。手届かない所にアプローチできる最強の武器を得た」