宮城県岩沼市の海岸で女性保育士の女性が殺害されているのが見つかった事件は、20日で遺体発見から1週間が経ちました。女性は、何者かと事前に連絡を取り車で移動したとみられ、警察は顔見知りによる犯行も含め調べを進めています。
鈴木奏斗アナウンサー「1週間前、岩沼市下野郷の砂浜で行仕由佳さんが遺体で発見されました。付近には住宅は無く夜になると人の気配はありません。街灯も無いため照明を落としてみると、肉眼でうっすら見える程度でほとんど砂浜の様子をうかがうことはできません。行司さんの身に一体何が起きたのか、少しずつ事件の輪郭が見えてきました」
東日本大震災の後に再整備された岩沼市の海岸で13日午前10時ごろ、保育士の行仕由佳さん(35)が遺体で見つかりました。
目撃者「頭は海の方を向いて足は西の方を向いて、女性が仰向けに倒れていた」
行仕さんは、波消しブロックの隙間に仰向けの状態で発見されました。
両足に靴下を履いていましたが、靴は周囲に散乱し防寒着は身に着けておらず軽装でした。
司法解剖の結果、死因は失血死と判明しました。胸や腹などに複数の刺し傷があり、そのうち1つは心臓に達するほどの深さだったということです。
中島秀太記者「遺体の見つかった波消しブロック近くで、捜査員たちがやりとりしています。当時の状況を再現しているのでしょうか」
現場では18日、捜査員や消防の救急隊員が集まり遺体が発見された状況を再現し、規制線を解除しました。
これまでの現場検証で、堤防付近には直径1メートルほどの乾いた血痕が見つかっています。
堤防から波消しブロックまでの約30メートルの間には、複数の血や砂を擦った跡が残されていました。
中島秀太記者「すぐに戻る予定だったのでしょうか。ベランダには洗濯物がそのままの状態で残されています」
行仕さんは8年前、仙台市太白区の自宅に引っ越し小学生の子どもと2人で暮らしていました。まだ小さかった子どもと、太白区の自宅に2人で引っ越してきたといいます。
子どもの同級生の保護者は口をそろ「子ども思いだった」と話します。仕事をしながらも、学校行事には欠かさず参加していたそうです。
行仕さんが勤めていた保育園では、子どもだけではなく保護者からも信頼されていました。
保護者「優しい素敵な先生でした。娘の様子を良く見てくれて、迎えに行った時にこんなことしていたよと教えてくれる、いつも優しい先生です。ニコニコしてて」
行仕さんは、山形市で育ちました。同級生は、明るい子だったと話します。
中学時代の同級生「バドミントン部ですごく強い子でした。東北大会まで行って、ダブルスで。友だちもたくさんいて、明るくて中心にいるような子。本当になんでこんなことに」
自宅から現場までは14キロほど離れていています。直前の足取りも分かってきました。行仕さんは遺体発見の前日「職場に忘れ物を取りに行って来る」と子どもに言い残し、自宅を1人で出て行きました。夕方ごろでした。
しかし、数時間経っても帰宅しなかったことから、家族が行方不明者届を出したといいます。
行仕さんは車を所有しておらず、家には自転車が残されています。捜査関係者によりますと、防犯カメラなどの捜査で行仕さんが自宅周辺を歩く姿は確認されず、地下鉄やバスを使用した形跡はないということです。
現場近くまで何者かが車で迎えに行ったとみられ、直前に連絡を取るなど顔見知りの犯行とみられています。
警察は、交友関係の調べを進め犯人を追っています。