静岡県の認定こども園で、3歳の園児が送迎バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件。静岡地裁は、当時の園長に禁固1年4カ月の実刑判決を言い渡した。

■千奈ちゃんの遺族 判決に対する思いは…

 静岡県牧之原市の認定こども園に通っていた、河本千奈ちゃん(当時3歳)。

河本千奈ちゃんの父親(40) 「(Q.家族にとって、千奈ちゃんはどんな存在か?)主役です。家族の主役です」

 千奈ちゃんは一昨年9月、送迎バスの中におよそ5時間置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった。真夏日の中、発見された時、千奈ちゃんは服を脱ぎ、持っていた水筒は空になっていた。

 この事件の裁判が4日、静岡地方裁判所で行われた。

 当時、バスを運転していた元園長の増田立義被告(74)は業務上過失致死罪に問われ、地裁は安全確認を怠ったなどとして、禁固1年4カ月の実刑判決を。また、担任だった西原亜子被告(48)には、千奈ちゃんがいないことに気づきながらも、保護者への確認を怠ったとして、禁固1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。

 裁判長は千奈ちゃんについて、こう述べた。

國井恒志裁判長 「千奈ちゃんは、お父さんやお母さんの泣く顔を見るために生まれてきたわけではありません。千奈ちゃんの命は子どもの命を守る大切さを考えなければいけないと気づかせてくれました」

 実刑を訴え続けてきた千奈ちゃんの遺族。判決に対する思いは…。

河本千奈ちゃんの父親 「納得した部分もあるし、納得できない部分もある。千奈ちゃんは、私たちが経験したことがない苦しみを味わいながら亡くなった。『実刑になってよかったね』とは思えない。それでも『助けられなくてごめんなさい』」

(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年7月5日放送分より)