香港の裁判所は、政府に批判的な論調で知られたネットメディアの元編集長ら2人に対し、「扇動的な出版物の発行を共謀した」として有罪判決を言い渡しました。

 香港政府に批判的な論調で知られたネットメディア「立場新聞」は2021年12月、警察による家宅捜索を受け、元編集長の鍾沛権氏ら2人が逮捕・起訴されたほか、資産が凍結されて運営停止に追い込まれていました。

 香港の裁判所は29日、「立場新聞」が民主活動家へのインタビュー記事などを掲載し、中国や香港当局に対する憎悪を扇動したなどとして、鐘元編集長ら2人に対して有罪判決を下しました。

 量刑は来月26日に言い渡される予定です。

 地元メディアによりますと、1997年に香港が中国に返還されて以来、メディア関係者が扇動罪で有罪となったのは初めてだということです。

 香港記者協会は声明を出し、「香港における報道の自由の衰退を反映したもので、判決前から報道業界に取り返しのつかない損害を与えた」と批判しました。