今月、一般公開が再開したフランス・パリのノートルダム大聖堂を巡り、ステンドグラスの一部を新調する計画が進んでいて、賛否の声が上がっています。
取り替えることが検討されているのは、ノートルダム大聖堂の南側にある、19世紀に製作された6セットのステンドグラスです。
2019年の火災による直接の被害は免れましたが、マクロン大統領が現代的なデザインのステンドグラスを設置する構想を去年12月に発表しました。
有名なバラ窓などのステンドグラスは交換の対象ではありませんが、文化財の専門家らでつくる国の機関「国家遺産・建築委員会」は全会一致で反対していて、議論を呼んでいます。
男性 「伝統を尊重しないといけません。ビオレ・ル・デュクが製作したステンドグラスを残さないと。現代的なもの、現代芸術は一定の人々にショックを与えてしまうと思います」
女性 「(取り替えることは)良いと思います。全部ではなく少しだけを、新しいものを取り込むことに賛成です。今回の再建の何かを残すことになりますから」
フランス大統領府は18日、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するフランス人アーティスト、クレール・タブレさん(43)が新たなステンドグラスのデザインを担当すると発表しました。
今後、「国家遺産・建築委員会」が改めて審査し、計画が順調に進めば、2026年末に完成する見込みです。