韓国の非常戒厳を巡り、尹(ユン)大統領の3日中の拘束は見送られるなか、捜査本部は今後、どう動くのでしょうか。ソウルから報告です。

 (山本志門記者報告)  捜査本部側も今回の拘束が難航することは織り込み済みでしたが、大統領側による生々しい抵抗の状況が分かってきました。

 合同捜査本部は今回、警察など100人態勢で臨んだということです。しかし、敷地内ではバスや乗用車で道がふさがれていたほか、軍や職員などで構成する大統領側の警護チーム200人以上が腕を組み、重ね重ね壁を作って進入を妨害したとしています。

 最終的にはおよそ5時間半かけて公邸の建物200メートルまで近付きましたが、「身の安全を憂慮して中止した」と説明しています。そのうえで「法に応じない態度に深い遺憾を表明する」と批判しました。

 「今後の対応は検討中」としていますが、令状期限の6日までに再び拘束に向けて動くとみられます。

 一方、大統領府側も「法律」を盾に徹底抗戦の構えです。弁護団は、今回の令状について「違法で無効」と主張し、まずは差し止めを請求している憲法裁判所の判断を待つ考えです。

 双方が一歩も引かないなか、大統領公邸で数百人規模が対峙(たいじ)するという異例の状況で今後、物理的な衝突も懸念されています。