宮城県庁で22日、県が女川原発の事故に備えて導入を予定している避難支援アプリの実証実験が行われました。

 はじめに村井知事が、会場を訪れた市町村長や県議らに避難支援アプリの説明を行いました。

 女川原発の5キロから30キロ圏内に住む人は、車やバスでエリアから退避した後、避難所ステーションと呼ばれる場所で各避難場所に振り分けられます。

 今回の実証実験では、アプリを導入することで避難が早くできるのかを確認しました。

 説明会の後、県の職員100人が参加してデモンストレーションが行われました。

 従来型の避難の方法では…

 高橋直希記者「避難所ステーションでは職員が住所や名前を聞き取って避難所を振り分けています。一人当たりおよそ1分程度かかっている印象です」

 避難所ステーションでAとB2つの避難所に振り分けた後、避難所でも受付を行います。

 制限時間の10分で避難が完了したのは、100人中およそ30人でした。

 一方、スマートフォンを使った新たな避難方法では…住人は専用のアプリをインストールし、事前にマイナンバーカードを読み取らせて名前や住所を登録します。

 災害が起きた時には、その情報をもとに自動的に避難所が振り分けられます。

また避難所でも、QRコードを読み取ると避難者の情報が県の端末に送られるため、受付での混雑の改善も期待されています。

 訓練では、2分程度で100人の避難が完了しました。

 須田善明女川町長「有用性というのが相当程度確認できたというのが前向きにとらえていいことだと思っています」

 村井知事「避難所ステーションで何十キロの渋滞ができてしまうのを改善しなければならないと思っていたので、これを使うとスムーズに避難できると思います」

 一方、女川原発の再稼働に反対する県議は避難する際に発生が予測される大渋滞など避難計画そのものの問題を置き去りしていると批判しています。

 社民フォーラム岸田清実県議「スマホを使えば確かに時間短縮にはなるが、避難計画全体の中の大きな問題点についてはクリアするところまでいっていない。むしろそここそ大きな問題」。