宮城県名取市の学校法人尚絅学院の運営資金3億5000万円を横領した罪に問われている元常務理事の裁判で、仙台地裁は懲役7年の実刑判決を言い渡しました。

 起訴状によりますと尚絅学院の元常務理事、瀬戸正道被告(68)は2022年6月から7月にかけて、学校法人から預かっていた小切手を現金化して計3億5000万円を自分名義の銀行口座に入金し横領した罪に問われています。

 これまでの裁判で検察側は「私腹を肥やすために犯行に及んでいて、酌量の余地はない」などとして、懲役8年を求刑した一方、弁護側は「巧妙な投資詐欺により犯行に至るなど、動機は悪質とは言えない」などとして、執行猶予付きの判決を求めていました。

 7日の判決で、仙台地裁の大川隆男裁判長は「財務業務を統括する立場を悪用した背信的な犯行」と指摘。「仮に、投資ファンドにだまされた経緯や動機があったとしても、他人の資金を横領することは正当化されるものではない」「被害回復のめども立っていないことから刑事責任は重く、執行猶予の余地は全くない」として懲役7年の実刑判決を言い渡しました。