迫力のパワーと一瞬の瞬発力で勝負が決まるアームレスリング。仙台市の男性が9月に行われた世界大会で見事優勝、世界一に輝きました。
日曜日の夜、住宅街にある一軒家で真剣な表情で向き合う男たち。彼らが夢中になっているものがアームレスリングです。
2009年に発足した日本アームレスリング連盟公認の宮城県唯一のジム、仙台闘腕です。約25人の会員が、宮城県岩沼市の道場で練習を重ねています。
仙台闘腕中谷徹代表「とにかくゴリゴリに部活みたいに強くなるぞではなくて、楽しみながらみんなで強くなっていきたいというこの形を残したいですね。ずっと続けたいです」
全日本のメダリストが10人も在籍するこのハイレベルなジムから、遂に世界チャンピオンが誕生しました。
体重が2倍近い相手をも簡単にねじ伏せる圧倒的なパワーとテクニック。日下隆志さんです。
日下さんは、9月にマレーシアで行われた世界大会に出場し、日本人同士の対決となった決勝戦を制し見事優勝。キャリア30年で悲願の世界チャンピオンに輝きました。
日下隆志さん「今回で世界へのチャレンジが4回目なんですが、ぜったい取ってやろうという意気込みで今回はチャレンジしました。表彰台はやっぱり格別な物がありましたね。今まで見たことないような全日本とはまた違う景色を見させていただいた」
世界を制した上腕の太さは40.5センチ。成人男性の首の太さに匹敵します。
どんな形の手にも、そしてどんな攻め方の相手にも対応できるように練習では様々な体格、そしてキャリアの人と対戦を繰り返す日下さん。パワーだけではなく、その肌感覚の蓄積こそが強みでもあります。
日下隆志さん「何千本、何万本と手を組んで練習しているんですけど、1万分の1本出せるか出せないかが試合なので、そういうところもアームレスリングの魅力なのかもしれないですね。この道場からまた世界にチャレンジできるような選手をどんどん育てていきたいなと。みんなを活気付けながら楽しくやっていきたいなと思っています」
楽しみながら強くなるで世界の頂点に立った日下さん。後進の育成そして2連覇、3連覇に向け挑戦はまだまだ続きます。