25日、2人の町長が相次いで辞職会見に臨みました。理由はいずれもハラスメントです。

■“パワハラ辞職”東郷町長が会見

 東海地方で町長が相次いで辞職願を提出しました。かたや、その理由は職員に対する主にパワハラ。

愛知県東郷町 井俣憲治町長(57) 「私のハラスメントということに対する無知」

 かたや、職員に対するセクハラです。

岐阜県池田町 岡崎和夫町長(76) 「セクハラ行為として、認定された案件は15人。15件ある」

 まずは“パワハラ”の方から見てみましょう。24日、辞職願を出した東郷町の井俣憲治町長です。

井俣憲治町長 「ハラスメントという…事象について、事案についてどう防いでいくのか。どう…発生しないように周知していくのか、分かっていただくのか。また、ハラスメントというワードの乱用をどうやって防いでいくのか」

 客観的というか、他人事のような話しぶりですが、パワハラなどの行為をしていたと認定されたのは、他ならぬ町長自身です。その内容は調査をした第三者委員会の委員長も顔をしかめるほどです。

第三者委員会 堀龍之委員長 「明らかに…違法と言えるものも含めてパワーハラスメントを中心としたハラスメント行為が繰り返されてきたことに私は驚きました」

■第三者委の報告書に「思うところも」

 具体的に見てみましょう。

井俣町長の音声 「うちの役場はさ、絶対に潰れないでしょ。職員がクソ野郎ばっかりでも。バカじゃねぇか。本当にバカじゃねぇ」

 他にも例えば「お前らの脳みそは鳩の脳みそより小さい」。手術を控えた女性職員に対して「いつ巨乳になって帰ってくるの?」、男性職員へは「育休を1年取ったら殺すぞ」。

井俣憲治町長 「冗談のつもりで発言したワードがそういうふうに取られてしまっている」 「(Q.報告書を読み返して自身の言葉はハラスメントか?)作っていただいた報告書の事案について思うところはある部分もありますけど、受け止めて今後、しっかり自分の中で組織として落としていかなければいけないと考えています」 「(Q.『思うところ』とは?)そこは申し訳ないですけど、差し控えさせていただきます」

■池田町長「裸の王様だった」

 25日、辞職願を出したのは池田町の町長。町長室に連日呼び出すなどしてのセクハラです。

岡崎和夫町長 「まあ、昨晩、一睡もできませんでした。まあ、あの…辞職することはきのう公表しましたけど」

 池田町の岡崎町長が辞職願を出したのはセクハラ行為が認定されたからです。

岡崎和夫町長 「独りよがり、裸の王様だったのではないかと昨晩考えながら思ったところでございます」

 調査した第三者委員会は女性職員15人が抱きつかれる、触られる、見た目をバカにされるなどの被害を受けたと認定しています。

 そして、場所は町長室が圧倒的に多かったとしています。

第三者委員会 幅隆彦委員長 「4日連続でCさんという人を町長室に呼び出し、最初は手を握る。衣服の上からではあるが二の腕、それから太もも、それから陰部を触る」

岡崎和夫町長 「私は4日連続でそんなことをしたという覚えがございません。職場に行ったり、すれ違ったり、あるいはイベントの時にそういった時に触れたといいますか、励ましの意味でやったという状況」

日本ハラスメント協会 村嵜要代表理事 「(自治体の)規模が小さいとより閉鎖的なつながりや、トップである町長の影響力、意見が通りやすくなって独裁的な組織を作りやすかったのではないか。昭和の世代はパワハラ、セクハラが見過ごされてきたのが当たり前の世代。(若い世代と)認識のずれが生じて大きな問題が浮き彫りになっているのでは」