小林製薬の『紅麹サプリ』をめぐる健康被害の問題です。

厚生労働省は、小林製薬から、死亡者数や入院した人の数など、毎日、報告を受けることになっていました。しかし、報告がありませんでした。武見厚生労働大臣は、厳しい言葉で非難しました。

武見厚生労働大臣:「6月13日に死亡者数の確認をしたにもかかわらず、小林製薬の判断により、死亡者数の報告をしなかったことは、極めて遺憾である。(死亡例が)5のまんま変わらないんですよ。報告はなかった。14日に、改めて、あるようなことを言い出した。今になって何を言い始めているんだいうことで、さらに、詳細を調査させることをして、27日に初めて全体像が示されたということです」

小林製薬が、28日に新たに公表した死亡に関する相談数は170件。そのうち91人は、サプリを摂取していなかったことが確認されているということです。残り79人のうち、3人については、医師が因果関係なしと診断しました。

武見厚生労働大臣:「残る76事例に関して、今後の進め方について、早急に計画を作成し、あすまでに報告するよう指示を行います」

76人に関しては、死亡との因果関係が疑われるとして、調査中だということです。

小林製薬の調査によりますと、サプリから腎疾患を引き起こすとされる『プべルル酸』が検出されています。

これまでに公表されている死者は5人。これに関しても新たな報告がありました。 1人はサプリを摂取しておらず、2人は関連不明。残る2人については、関連がないともいえないという状態だそうです。

今回の報告、なぜ、このタイミングなのでしょうか。 実は、小林製薬は、厚労省にコールセンター縮小の相談をしていて、そのため、厚労省は13日に問い合わせをしたといいます。

厚労省の担当者:「(縮小)ということは問い合わせはない、これから減るんだということで、念のために死亡事例がないかを確認したところ、いや実はという話になった」

小林製薬は、問題発覚当初も、厚労省などに2カ月あまり報告していませんでした。今回も、問い合わせから報告まで2週間かかっています。

小林製薬:「厚生労働省より速やかに報告すべきとご指摘された件について、大変、重く受け止めております。今後、補償への誠実な対応、原因究明等に全力を上げて取り組んでまいります」