今月に入り、埼玉県の半径3キロほどの範囲で不審火が7件相次いでいます。一体、誰が何のために。連続放火の可能性も。

■「尋常じゃない」建物全焼 連続放火か

 火事の通報は5日も入りました。

 午前2時半すぎ。救急車両が多数駆け付けた住宅地。現場に到着すると白い煙を上げる建物が見えました。

 骨組みだけを残した建物。消火作業が続きます。

近隣住民 「寝ていてインターホンが鳴ったので、なんだろうこんな夜中にと思って尋常じゃないから出ていった」

 5日未明、埼玉県久喜市の住宅で倉庫などが燃える火事がありました。

通報した人 「ぱきぱきした音が聞こえて、おかしいなと思った。祖母から『最近、火事が多くて気を付けて』とは聞いた」

 周辺では火事が相次いでいました。

 5日、火事が起きた現場が久喜駅から車で25分ほどの住宅地です。今月1日に木造2階建ての住宅や軽自動車が全焼しています。

 火は隣の家にも…。

隣の家が火事の被害 「トタン、外壁。この辺も全部。ブルーベリーも全部やられた。怖いというより何もできない」

 さらに、今月4日に桶川市でビニールハウスが。その1時間ほど後、木造2階建て住宅が全焼。さらに30分ほど経った後、物置きが全焼。火事はまだ続きます。2時間後、今度は理容店の店舗が全焼。その2分後、今度は住宅と車両3台が全焼しました。

 今月に入り、合わせて7件の火事が半径3キロほどの範囲で起きていることになります。

 警察は、連続放火の可能性もあるとみて捜査を進めています。

■炎上する自宅から避難「何もない」

勤務先が被害に遭った人 「火事ってすべての財産が全部なくなるから消防隊の手伝いをしている時に火事だけはいやだなと」

 この6件目に住宅が全焼した住民に話を聞きました。

住宅と車3台が全焼 「玄関が焼けていて音がするから気になってドアを開けて見た。下から煙が上がっているから大変なので、タオルで煙を吸わないように口に巻いて出ろと(子どもたちに言った)」

 娘と息子と、命からがら逃げ出した住民。炎が上がる我が家を前になすすべはありません。車も、財布も一晩のうちに失いました。

住宅と車3台が全焼 「何も持たずに出て、すごく後悔している。財布も免許証も何もなくて、あの通り燃えているから何もない。やりたいことがいっぱいあるのに、車もないし、何もできない」

■「火の強さ」から浮かび上がる“犯人像”

 火の強さが意味することは。

 火事で焼け焦げた理容店の映像です。7件起きた火事のうちほとんどで住宅や店舗が全焼しています。「火の強さ」から浮かび上がることがあるといいます。

元埼玉県警 捜査1課 佐々木成三さん 「ここまで早く燃え広がっているとなると、強い火種、油性のものを持ち歩いていることは十分考えられる。いたずら感覚で何か軽い火を燃やそうという感覚ではない」

 警察は捜査を進めるとともに、一帯のパトロールを強化しています。