医師や看護師らに残業代計１０億円を支払っていなかったとして、宮城県の大崎市民病院が労働基準監督署から是正勧告を受けたことが分かりました。病院はこのうち約２億３０００万円は支給しましたが、額が大きすぎるなどとして８億円ほどは払っていません。

　大崎市民病院は２０２３年２月、古川労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けました。

　病院によりますと、医師や看護師ら約１１００人の時間外手当を算出する際、基礎賃金に本来は必要だった一部の手当てを含めずに計算していました。

　国家公務員の制度に準じたということですが、労働基準監督署からは２０２０年３月にさかのぼって再計算し不足額を支給するよう勧告を受けました。時間外勤務の申請が無い時間帯に仕事をした記録も見つかり、こちらも不足額を払うよう求められました。

　未払い分は計１０億５０００万円で、病院はこのうち約２億３０００万円は支給しましたが、それ以外は支払っていません。

　大崎市民病院は「労働基準監督署に相談しながらできる範囲で対応した。１０億円は額が大きすぎる。全て支払うことはできない」としています。