猛烈な暑さが続くなか、観光地では「逆転の発想」が話題を呼んでいます。ヒントは「夜」にありました。

■「涼」を演出 江の島を照らす灯籠

 タオルも、扇子も、日傘も。暑さをしのげるならしのぎたい。

 5日も列島では猛暑日が続出。5日連続で200地点を超えています。

 そんなうだるような日中から夜へ。暑さを避け、涼を感じられるナイトスポットが人気です。

 この時期、期間限定で行われている江の島のライトアップイベントです。江の島が誕生した伝説を光と音で表現。日中から4℃ほど気温も下がり、鮮やかなブルーや鈴の音が夏の涼を感じさせます。

茨城から来た人 「夏の嫌な蒸し暑さもこの時間はないんで、このライトアップも涼しげで」 「音もいい」

 ライトアップに加え、1000基の灯籠(とうろう)が江島神社の参道を灯します。

客 「夏ですね。(灯籠が)あるとないとでは見違えるくらい、きれいで涼しげでもあります」

 近所から来た家族。子どもたちが浴衣を着て来たのには、ある目的がありました。

娘(7) 「手拭いがもらえるから(浴衣を)着てきました。お父さんが、おでこにいつも巻いてるから(欲しい)」

父親(40代) 「(Q.優しいですね?)父親似ですね」 娘(7) 「違う!母似」

 浴衣を着てくるとオリジナルの手拭いがもらえるそうで。

娘(7) 「お父さんにあげる」

父親(40代) 「ヨッシャー、いっぱい使います」

■昼と夜 動物が見せる「別の顔」

 夜に涼を求めているのは人だけではありません。

スタッフ 「ヒグマ、雌が登場です!」

 車に乗りながら間近で動物を見て楽しめる「富士サファリパーク」。5年ぶりに再開したこの時期限定の「ナイトサファリ」に予約が殺到しています。

埼玉から来た人 「(日中)暑いからナイトサファリめがけて来た」

 日中は日差しが強く…。

来園者 「暑い」 「風があまりない」

 動物はクマも寝転んで休んでいます。百獣の王もぐったりしているのか疲れで休んでいます。しかし夜になると様子は一変します。

 暑そうに横たわっていたクマも、夜になって縦横無尽に動き回っています。午後7時時点の気温は26.4℃。日中と比べて8℃も低くなりました。

■猛暑で熱視線 「夜観光」の魅力

 涼しさだけじゃない“夜観光”の魅力は。

富士サファリパーク 広報 竹内大介さん 「夜の動物たちの生態が見られるというのが一番の魅力だと思います。ライオンだと汗をかきにくい動物」

 肉食動物のライオンは汗をかきづらく、日中はできるだけ動かず、体力を蓄えます。夜を迎え、どうなったのかというと…。

 獲物を狙う鋭い眼光。夜になって百獣の王、復活です。

 来園者は格子のついたバスに乗り、夜の風を浴びながら動物の鑑賞を楽しみました。

埼玉から来た人 「涼しくて快適だった」 「トラが動いているのもそうそう見ない。感動した」

 一部ツアーはすでに完売するなど「ナイトサファリ」は大盛況です。