宮崎県での地震を受け、南海トラフ地震発生の可能性が平時より高まっているとして、気象庁は毎日、地震の活動状況を説明することになりました。10日午後に行われた気象庁の説明内容について、テレビ朝日社会部の屋比久就平記者に解説してもらいます。

 (Q.気象庁からはどんな説明があったのか?)  10日午後に行われた気象庁の説明では2点ありました。1点目は地震活動の状況についてです。今回の地震発生後、10日午後2時までに震度1以上を観測した地震が16回発生していたということです。

 9日午後2時時点では13回発生していたということなので、9日から10日にかけて3回増えていたということになります。

 もう1点が地殻変動などを観測する、ひずみ計と呼ばれるものの値についてですが、今回の地震発生後、ひずみ計の値に異常はないという、この2点についてまず説明がありました。

 (Q.この余震の回数を気象庁は多いとみているのか、少ないとみているのか、気象庁の見解は?)  気象庁は、能登半島地震のように陸型の場合は大きな地震ではなくても余震の回数が多くなるケースがあり、逆に今回の日向灘のように震源が海の場合は、大きな地震の後でも多く発生しないケースがあるというふうな説明をしていました。また、今回震度1以上の地震が9日から10日にかけて観測されたのは1回だけですが、実は震度1に満たない地震は多発しているということで、必ずしも地震活動が収まっているわけではないということを強調していました。

 (Q.今、我々が取るべき備えは具体的に何かあるか?)  10日は内閣府防災の担当者も説明の場に参加をしていて、改めて政府として国民にどのようなことを今呼び掛けているのかということも説明がありました。1点目は、これは365日平時から常に地震への備えを再確認をしてほしいという呼び掛けをしているということです。そしてそれに加えて、今回の地震の発生を受けて、特にこの1週間に関しては警戒のレベルを上げて揺れを感じたり津波警報等が発表された場合には、直ちに津波から避難できる態勢を取ってほしいという、この2点の呼び掛けをしているという説明がありました。

 (Q.9日に起きた神奈川県の地震との関連は?)  この点に関しては、10日の説明では9日の神奈川県の地震というものは南海トラフの想定の震源域外にあるものであるとしたうえで、さらにこの日向灘から距離が離れているため、南海トラフとの関連はないというふうに見ているという説明がありました。

 ただいずれにせよ、今回の日向灘の地震のような震度6弱程度の地震には引き続き警戒をしてほしいという呼び掛けがありました。