関東の南の海上を北上している台風7号。中心から遠く離れていても注意が必要です。

■関東最接近「台風7号」都心大荒れ

 東京都心は16日午前中から、すでに大荒れでした。

 正午ごろの新宿駅でも滝のような雨に行き交う人は皆、駆け足です。

 駅構内にまで流れ込んだ雨水をかき出す作業に追われていました。

 午前10時半ごろ、穏やかだった羽田の空は急に白く曇りはじめ、大きな雨粒が激しくレンズに打ち付けます。東京都心では、1時間で23ミリの強い雨が降りました。

 神奈川県大和市では、マンホールから水があふれ出していました。

 いつもは人でにぎわう横浜市も…。冷たい雨に犬も身震いです。

 千葉県市川市でも午前中から道路が冠水。車道から歩道に向かって雨水が波打っていました。

 茨城県でも午前10時半ごろ、横殴りの雨が。

撮影者 「短時間で、ここまで降るというのはあんまり経験したことない。自分の住んでいる地域は結構、珍しい感じでした」

 心配なのは、これからが“本番”だということです。

撮影者 「台風じゃないのにこういう暴風が来てしまうと、また来るのかという感じはしますね。雨戸は閉めるようにしていて、植木鉢とかも中にしまったような状況です」

 午前中、断続的に降った土砂降りの雨。正午の時点で都心は台風の中心と200キロ以上離れていたのに一体なぜ。

 気象予報士の今村さんに聞くと…。

今村涼子気象予報士 「台風7号に伴う“アウターバンド”と呼ばれる雲が降らせた雨です」

 台風の中心から離れた場所でも注意。「アウターバンド」の危険性を詳しく解説します。

■「アウターバンド」高まる危険性

 午前中から首都圏で降った土砂降りの雨。台風の中心とは200キロ以上離れているのに、なぜ…。

今村涼子気象予報士 「台風7号に伴う“アウターバンド”と呼ばれる雲が降らせた雨です。こちらきょうのレーダーで午前11時ごろの様子なんですが、台風の中心ここにあります。離れているこのあたりですね、東京など関東北部にも帯状の雨雲が掛かっていますが、これがまさにアウターバンドでして都内などにも激しい雨を降らせました」

 正午の雨雲を改めて見てみると、まさに都心にかかっている雲がアウターバンドです。

今村涼子気象予報士 「このアウターバンドっていうのは台風から離れていても竜巻など突風を引き起こすことも過去、多くありまして、決して油断できない危険な雲といえます」

 この雲にはさらに厄介な特徴が…。

今村涼子気象予報士 「今後、台風7号本体は海上を進んでやや離れていく傾向にあるんですが、アウターバンドに関してはこのあと明日にかけても関東そして東北に(アウターバンドが)かかってくる可能性があります。ですので、台風から離れたからといってまだまだ油断できない状況が続きます」