名物喫茶店が“最後の日”を迎えました。全国のファンから別れを惜しむ声が上がっています。

■名物喫茶“最後の日”全国から…涙

 階段を上ると、所せましと並ぶ惜別の花。その先には昔懐かしい“昭和の世界”が広がっていました。

常連客 「手が空いたらで良いけど、ナポリタンと、後でアイスコーヒー」

 昭和のノスタルジーが漂うナポリタン。長年、常連客たちが舌鼓を打った名物メニューも、この日が最後です。

 長野県で1978年にオープンした喫茶店「ニュースコー」。多くの人に惜しまれながら、46年の歴史に幕を閉じます。

常連客 「寂しくなる。行く所がなくなるから困る。涙が出てきちゃってしょうがない」 「皆そうだよ」

 常連客の社交場でもあった喫茶店。

新潟から来た人 「きょうで29回目。今の時代にはないリアルクラシック」

 切り盛りしてきたのは、2代目店主の山岸公子さん(70代)です。

喫茶店「ニュースコー」 山岸公子さん 「きょうが最後だ、頑張ろうと思って」

 数十年もの間、看板メニューのナポリタンを値上げせずに、450円で提供してきました。

常連客 「(Q.最後のナポリタンの味は?)最高です」

 喫茶店が入る複合ビルの閉鎖に伴い、店も閉じることに。

 かつて飲食店や衣料品店など、およそ40店舗が営業し、人々の生活の場として栄えたショッピングセンター。ところが、時代の流れともに衰退。建物の老朽化などが原因で閉鎖が決まりました。

 喫茶店、最後の日には全国からファンが詰め掛け、別れの言葉を贈ります。

埼玉から来た人 「俺きょう誕生日。誕生日が最終日だったから『じゃあ行かないと』と。きょう誕生日」

山岸公子さん 「おめでとうございます」

埼玉から来た人 「ありがとうございます。長い間お疲れ様でした」

山岸公子さん 「ありがとうございます」

埼玉から来た人 「おばちゃんの人柄が最高」

山岸公子さん 「出勤する日は、嫌だと思う日は一度もなかった。楽しんで。きょうはどんな人が来るかなと思うと楽しみで。ありがとう」

 20代から働き続けてきた店主の山岸さん。最後に口にしたのは、お客さんへの感謝の気持ちでした。