日本銀行は19日まで行われた金融政策決定会合の「主な意見」を公表しました。決定会合では現状の政策を維持しましたが、「利上げを判断する局面は近い」という意見が出ていたことが分かりました。
日銀は12月の金融政策決定会合で焦点の利上げを見送り、政策金利を据え置きました。
公表された「主な意見」によりますと、利上げの判断の大きなポイントであるアメリカ経済については「8月に比べれば焦点が上方リスクにシフトしている」と前向きに捉える声がある一方で、「次期政権の経済政策を巡る不確実性は大きく、その影響を見極めていく必要がある」という意見がありました。
もう1つのポイントである賃金の上昇については、来年の春闘交渉などで「今後の動向についてもう少し情報が必要である」とする意見がありました。
そのうえで「(アメリカの)新政権発足を確認していくのが常識的」「利上げを判断する局面は近いが、現段階では米国経済の不確実性が一巡するのを今しばらく注視する辛抱強さも必要だ」などとして、利上げを見送るべきだという意見が数多くみられました。
一方で、経済と物価は想定通りに上昇しているとして「金融緩和の度合いを調整することができる状況である」という意見も出ました。
決定会合では、三井住友銀行出身の田村直樹審議委員が利上げを求める議案を提出したものの、反対多数で否決されています。
市場では、来年1月の決定会合で日銀が利上げに踏み切るのかどうか関心が高まっています。