国立感染症研究所が行った風しんの研究で被験者となった80人の抗体検査の結果を取り違え、このうち5人が必要のない予防接種を受けたことが分かりました。

 国立感染症研究所によりますと、風しんの対策データを収集する目的として、風しんの定期予防接種の機会がなかったとされる年代の男性199人の検体を集めて風しんの抗体を調べました。

 そのうち80人の検査結果が取り違えられ、さらに41人には抗体の有無を逆に伝えていました。

 その結果、抗体があるにもかかわらず誤って抗体がないと伝えられた男性のうち、5人が不要な風しんの予防接種を受けました。

 1人は接種直後に腕の痛みを訴え、別の1人は不安感を訴えましたが、現在、症状は回復しているということです。

 検査結果を測定担当者から解析担当者に口頭で伝えた時に取り違えが発生したということです。

 国立感染症研究所は抗体のある人が追加で接種をすることで発生する健康被害は今のところ明らかではないとしつつも、今後も十分にフォローアップしていくとしています。