長崎市内の住宅街に現れた刃物を振り回す男。警察官が駆け付け、男は現行犯逮捕されました。

■「殺すぞ」住宅街に刃物男

 深夜、長崎市の住宅街。取材班が遭遇したのは、車道をふらふらと歩く1人の男。よく見ると、右手に光るのは包丁です。

 酒に酔っているのか、右へ左へおぼつかない足取りで歩く男。男が包丁を顔まで上げたかと思うと、後ろを振り向き、車の中の取材班をにらみつけます。一瞬、緊張が走りますが、男はそのまま気にせず進み始めました。

 今度は立ち止まると、包丁をゆらゆらと揺らし、さらには突き上げるような動作をします。

 奇行を繰り返しながら歩く男の先には、幸い通行人はいませんが、通りには住宅が立ち並んでいます。

 すると、警察が来ました。男は警察官を威嚇するように包丁を振り上げると、パトカーに向かっていきます。

 男と距離をとるためか、ゆっくりとバックするパトカー。

警察 「刃物を下ろせ!」 男 「(叫び声)」 警察 「刃物を下ろせ!」 男 「殺すぞおめぇ」

 警察は刃物を下ろすよう説得を続けますが、男はたばこを吸いながら道路をふらふらと歩き回ります。

 およそ2分間、膠着(こうちゃく)状態が続くと、今度は自分の腕に包丁をあて、警察の反応をうかがいます。

警察 「刃物下ろして。話そう。刃物下ろして話そう」

■男が通行車に突進 逮捕の瞬間

 警察に向かって、バンザイをして見せたかと思うと、刃物を持った男はコンビニのほうに向かっていきます。

 店内には業務中の店員の姿があります。一度外に目をやりますが、男の手元に気づいていないのか、慌てる様子はありません。

警察 「待て待て待て!話そう!」

 警察官は急いでパトカーから出て、必死に男に呼び掛けます。

 警察官が注意を引いたおかげか、男は再び道路に向かって歩きだしますが、男はコンビニののぼりを切りつけました。

警察 「セブン-イレブン閉めてください!戸締まりしてください!」

 警察がコンビニに指示をしている間、男は別のパトカーにゆっくりと近づいていきます。

 するとその先には、偶然通り掛かった軽自動車。危険を察したのか、軽自動車は男を刺激しないようゆっくりバックしますが…次の瞬間、男が走り出し、軽自動車に突進しました。

 それまで距離をとっていた警察官も、さすまたで男を押しながら、軽自動車の後ろまで追いやります。

 男を追いやった警察官は軽自動車の窓をたたき、すぐさま離れるよう合図を出します。

 応援に駆け付けたパトカーに男が気を取られている隙に、警察官が後ろから包丁をたたき落とすと、27日午後11時56分にようやく男は現行犯逮捕されました。

 銃刀法違反の疑いで逮捕されたのは、無職の平山勇士容疑者(39)。持っていた凶器は、刃渡りおよそ16センチの包丁でした。

 平山容疑者は取り押さえられた後も警察官に抵抗を続け、引っ張られても立ち上がろうとしません。

警察 「せーの(上半身抱きかかえる)。はい、立って。立って、立って。自分で立て」

 警察官もしびれを切らしたのか、足を抱えて持ち上げることに。平山容疑者はそのままパトカーに連行されていきました。

 警察によりますと、平山容疑者の呼気からはアルコールが検出されたということです。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年4月29日放送分より)