活発な梅雨前線と低気圧によって、18日は各地で6月の観測史上1位となる大雨が降りました。静岡県などで浸水の被害が相次いだほか、鉄道にも大きな影響が出ています。

■静岡・沼津市は広範囲で冠水

静岡県沼津市周辺では半日で200ミリを超える大雨を観測。これは6月一カ月分を上回る雨の量です。市内は一時、避難指示が出されました。道路は広い範囲で冠水。路面の状況が分からないため、危険な状態となっていました。市内の薬局では…。

はなまる薬局 毛塚友浩社長 「(Q.浸水がひどかった時の状況は)色がちょうど変わっているこの辺ぐらいまで。5センチ弱ぐらいは水がつかっていた感じ」

分包などの調剤に使う高価な機械などが水につかりました。動作確認はまだできていません。

はなまる薬局 毛塚友浩社長 「(Q.ちょっと不安)普通に起動してくれればいいが」

付近では狩野川が増水し、付近の家は1階部分が完全に浸水していました。段ボールを加工する工場はもはや川の一部に。それから6時間余り経って、水は引きましたが、商品は無残な状態となっていました。

エド・パッケージ 萩原好光社長 「この下の方は駄目ですね。染みちゃっていますでしょ。ここへ構えて22~23年かな。こんだけ水が来たのは初めて。できれば乾かないうちに流したいなと。あしたやろうかという話だが、固まると嫌だなと思って」

伊豆地方では、湯ケ島や天城山などで300ミリを超す記録的な雨となりました。梅雨前線と低気圧は、全国の広い範囲で激しい雨や雷をもたらしました。

■沖縄では土砂崩れ 通行止めに

沖縄県那覇市。道路の排水溝からは、茶色く濁った水や透明な水が、至る所から高さを帯びて噴き出しています。うるま市では、藪地島へと続く唯一の道路が寸断。山側にあったとみられるコンクリートや大きな石が道路を完全に塞いでいました。

梅雨末期の沖縄では、梅雨前線に流れ込む湿った空気の影響で大気が不安定に。24時間雨量は久米島で293.5ミリと、6月の観測史上1位を記録しています。

■家の屋根が…高知では“竜巻”被害

梅雨前線の影響は四国でも。高知県の田野町では、気象庁の職員が集まり写真を撮っていました。その先にあったのは屋根が剥がれた住宅でした。

男性 「1分もかからなかった。ゴーいいよった。玄関も1枚飛んで」

農業用のハウスは骨組みだけに。

男性 「(Q.何のハウス)シシトウ。(Q.収穫できない)まず難しいね」

被害は約200メートルの限られた範囲に集中していました。

高知地方気象台 神野正樹さん 「積乱雲を含んだ雨の領域が近くにあった。通過中であった。これは事実で。『雨が強かった』『風が強かった』『周りが真っ白だった』と聞いている」

その後、気象庁は、突風は風速50メートルに達していて、被害の痕跡が帯状に分布していたこと、特徴的な轟音が移動したなどの証言から「竜巻の可能性が高い」との見解を示しました。

■関東でも激しい雨 交通機関に影響

東海道新幹線は、東京~静岡間の下り線などで雨が規制値に達したため、一時運転見合わせに。雨は午後になり、関東でも帰宅する人の足を直撃しました。

今年一番の大雨に見舞われた神奈川県三浦市では、土砂災害警戒情報が出されました。東京・品川区でも一部で道路が冠水。そして、千葉県君津市に移動すると…。

下村彩里アナウンサー 「JR内房線は大雨の影響で、君津駅~館山駅の間で全ての列車が運転取りやめとなりました。そのため、駅の前には迎えに来た車が列を作って待機をしています」

迎えの車を待つ人たちのかたわらで、大学が休校になったという人も。

休校になった大学生 「17日から予報は出ていたので降るかなと思っていたけど、まさか運休するとは思わなかった」

ほどなくして無事、家族が運転する車で帰宅の途に就きました。

強い雨は18日夜遅くまでには収まる見通しです。19日は晴れ、関東では気温も10℃以上上がるため、体調管理に十分な注意が必要です。