連日の暑さで、宮城県では川やダムの渇水や水不足の影響が出始めています。

 21日正午時点の宮城県の主なダムの貯水率です。

 最も低いのは栗駒ダムの26.0%です。例年より大きく落ち込んでいて、栗駒ダムは放流量を半分にすることで対応しています。

 鳴子ダムでも貯水率は37.0%と、厳しい水準です。

 水位が低下したことにより、ダム湖には普段見られない光景が広がっています。鳴子ダムの水を使う米農家は、地域ごとに交代で水を使う番水を強いられています。

 栗駒ダムの水は江合川を通じて水田などの農業用水として使われるほか、水力発電で電気を生み出すことにも役立てられています。 しかし、深刻な水不足が問題になっています。21日正午時点の貯水率は37.0%で、例年より10ポイント以上低くなっています。

 水位が低下することで、普段は見えない岩肌や土が露出しています。

 鳴子ダム管理所小嶋光博所長「鳴子ダム67年の歴史の中で、ここまで水位がこの時期に低い状態は非常にまれで、冬に非常に雪が少なく4月、5月の雨が非常に少なかったことでダムに入る水が少なく水位が非常に低くなっている」

 この水不足によって、ダム湖ではこの時期には見ることがない光景が出現していると教えてくれました。

 鳴子ダム管理所小嶋光博所長「見えてきました。まぼろしの滝です」

 まぼろしの滝、なぜ幻かというと普段は水に浸かっていていてこの時期には見ることができません。今回、ダムの水位低下により珍しく姿を現しました。

 水不足を受けて鳴子ダムは、農家や発電所の協力を得て放流を絞って対応しています。しかし、天候次第の面もありこの先の不安は隠せません。

 鳴子ダム管理所小嶋光博所長「仮に空梅雨で雨がほとんど振らなかった場合、仮にですが、7月中旬から下旬にはダムの水が底をつきます。そうならないように雨が降ることを祈っております」

 国内有数の米どころ、大崎市ではたっぷりと水を張った水田の隣には、土が乾き所々にひび割れもある水田が並んでいます。

 米農家佐藤昇さん「当たり前に水を入れたいんですよ。当たり前に入れたいんですが」 鳴子ダムの水位低下に伴う番水で、佐藤さんの地域では、2日おきにしか水を使えなくなりました。水は20日に来たばかりです。

 米農家佐藤昇さん「本来であれば、水の流れがあって入れたい時に入れられるというのが本来の姿ですけど、21日と22日は水が来ないので水路も乾いています」

 全ての水田に十分に水を行き渡らせることは難しく、佐藤さんは水田に優先順位をつけて水を入れることで対応し、より下流のコメ農家に配慮し水を使い過ぎないようにもしています。

 水田はこれから、水をたくさん使う出穂期を迎えます。

 米農家佐藤昇さん「出穂期、花が咲く時期に水が来ないとか稲の生育ステージで水が欲しい時があるので、水が来るか来ないか非常に不安で心配です」