将棋の叡王戦五番勝負の第5局で藤井聡太八冠(21)に勝利し、初めてのタイトルを獲得した挑戦者の伊藤匠七段(21)が会見し、「タイトルは子どもの頃からの夢」と喜びを語りました。

 叡王戦五番勝負は甲府市の常磐ホテルで20日午前9時から始まりました。

 伊藤七段は第3局を終えて2勝1敗とし、藤井八冠を初めてカド番に追い込みました。

 この第5局では振り駒の結果、藤井八冠の先手で始まりましたが、伊藤七段が盛り返し、午後6時半すぎに藤井八冠が投了して伊藤七段が勝利しました。

藤井聡太八冠 「シリーズを通して終盤でのミスが結果にもつながってしまったのかなと思っています」

伊藤匠七段 「やはり叡王戦ですと持ち時間が4時間のチェスクロックと短い時間のなかで自分としてはうまく指せた部分もあったのかなと思っています」

 対局を終えた後、大盤解説会場に登場した2人は歴史的対局を見守った将棋ファンを前に対局を振り返りました。

 伊藤七段は3回目の藤井八冠への挑戦で初めてのタイトル獲得しました。

 21歳8カ月でのタイトル獲得は8番目の若さです。

伊藤匠七段 「タイトルというのは子どもの頃から夢に見てきたものなので、とてもうれしく思います。両親や師匠には感謝を伝えたいです」

 記者会見で喜びを語った伊藤七段に対し、日本将棋連盟の羽生善治会長は「今後も藤井竜王・名人としのぎを削る勝負を末永く繰り広げられることを期待しています」とコメントを寄せています。