活発な梅雨前線の影響で西日本は記録的な大雨となっています。土砂災害も発生していて、厳重な警戒が必要です。

■激しい雨で水しぶき&雷鳴も

 行き交う車両は見たこともない状況です。道路を走るバイク。運転手は恐らくずぶ濡れの状況です。車も車体が見えないほどの水しぶきを上げています。

 11日午前1時半すぎの山口県周南市。夜というのに雷で昼間のような明るさです。

 午前2時の周南市。市内を歩く人が撮影した映像には激しい雨とともに稲光が次々と映されています。道路をよく見ると、側溝の水があふれているのが分かります。

 活発な梅雨前線の影響で、山口県では「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。

 山口県下関市にある高台の住宅街を走る道路。泥水が激しい勢いで下に流れている様子が分かります。下関市では、わずか半日で平年7月の約8割の雨が降り、観測史上1位を記録しています。

 山からは泥水が流れてきて、撮影した人は子どもを避難させたそうです。

■山が崩れ 住宅に迫る土砂

 夜が明け、その爪痕が見えてきました。下関市の山が崩れ、住宅の間際まで流れ込んでいます。住民が一部始終を見ていました。

住民 「夜中の2時半ごろ、裏戸を開けようとしたが開かなかった。開けようとしたらガサーと小屋が倒れた。カチャンガチャンガチャーンと。私も聞いたことがない、見たこともない、初めての経験」

■トラック後輪浮く 山肌が一変

 トラックは道路のくぼみにはまり、身動きが取れません。よく見るとアスファルトがひび割れています。前輪は埋まり、後輪は浮いています。

 山口県宇部市でも土砂災害が起きています。住宅街にある山が雨で土砂が崩れ、周囲の景色は一変します。

撮影者 「夜中3時に防災無線が鳴り響き、聞こうと開けてみたら崩れていた。横の川の音が、いつもと全然違う音」

 以前の地図と比較すると、山にあった木々がなくなり、山肌があらわになっているのが分かります。

撮影者 「6から7メートルが崩れた感じ。市役所の土木課が現場を見て写真を撮り、測って帰った」

■床上浸水も「川のような状態」

 床上浸水も相次ぎ、起きたら景色は一変していたそうです。

床上浸水した住民 「ここまで。一気に入って大変でした。ベッドから降りたら川のような状態」

 別の家の外壁には、50センチはありそうな浸水の跡があります。

床上浸水した住民 「ここのコンセントまでは確実にいってますね。30センチくらい上がっている。あっという間に、床上まで上がってきたって感じですよね。もう泥も一緒で、10分足らずで。床上30センチは上がってきましたね。今年だけじゃないですからね。局地的に降るんで、引っ越さなきゃいけないのかなって」

■“今年一番の大雨”各地で観測

 雨は山口だけではありません。福岡県大牟田市では1時間雨量が29ミリとなり、今年一番の雨を観測しています。

 午後になり、雨は東海地方でも。静岡県伊豆市の修善寺でも大粒の雨が道路を濡らしています。

 石川県内を走る道路。土砂崩れで前は見えず、とても車が走れる状況ではありません。輪島市では48時間雨量が100ミリを超える雨となっています。

■関東で湿度高く 危険な暑さ

 一方、関東は湿度の高い危険な暑さが続きます。

20代の人 「歩いているだけでジメジメする。前髪がうねっちゃう」 「ずっとお風呂に入っている感じ」

■「暑さで食欲が」牛乳に影響

 東京・八王子市で約40頭の牛を飼育する三神牧場。連日の暑さに頭を悩ませていました。

三神牧場 三神仁代表 「(気温)30℃を超えると食欲がなくなる。それが2から3日続くと乳量がどっと落ちてくる。きのうあたりからズドンと落ちている」

 いわば夏バテです。生乳の出荷量が先週に比べて7%減少。牛の異変は見た目にも分かるといいます。

三神牧場 三神仁代表 「(呼吸が)速いし、体が動いちゃっている。(牛は)暑くて苦しいんです」

 確かに体全体を使って呼吸しているのが分かります。

三神牧場 三神仁代表 「人間が疲れたり病気の時『はあはあ…』ってなるじゃない」

 八王子市の7月上旬の平均最高気温は34℃。例年より約5℃も高くなっています。

三神牧場 三神仁代表 「年々暑さはきつくなっている。ちょうど私が始めたころに(約40年前)この牛舎に引っ越して、その頃は扇風機2から3個で大丈夫だった。(扇風機が)4個になり6個になり今、20個近く付いて、さらにミストも出るようにして、それでも足りない感じ」

 ミストに加え、こんな対策も…。何かを濡らし保冷材を入れました。後を追っていくと牛の首に巻き付けました。

三神牧場 三神友香さん 「血流がここが一番通っているので、ここら辺に保冷剤を巻く。付けるとよだれも止まる。(牛も)“冷たい”という感じになる」