宮城県の新型コロナウイルス感染者数が、4週続けて増加しています。感染拡大の要因とみられているのは、感染力の強い新たな変異株KP.3です。

 仙台市若林区の七郷クリニックでは、発熱外来の問い合わせが増加傾向にあり、記録には新型コロナの陽性者を示すピンク色のマーカーも目立ちます。

 暑さも続くこの時期、熱中症が疑われた患者が検査の結果新型コロナだったケースもあるということです。

 七郷クリニック阿部基院長「7月に入って肌感覚的には3倍から5倍ぐらいの患者が出ているのではないかなと。右肩上がりのいわゆる第11波の入りかけ」

 感染症学が専門の東北医科薬科大学藤村茂教授は、新型コロナが再び感染拡大局面に入ったとみています。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「確実に第11波に入ったと見ていいと思います。おそらく7月下旬から8月くらいに急激に波は大きくなると思います」

 新たな変異株KP.3は、アメリカで先行して流行し日本国内ではこの1カ月ほどで目立つようになったといいます。

 のどの痛みや発熱といった症状に加え、感染から身も守るこれまでの免疫が十分に機能しない特徴を持っています。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「多くの方々が感染やワクチンを打つことで得られた抗体ですけど、KP.3のウイルス本体にくっつきにくくなっていく。すなわち、多くの方が感染しやすいことにつながる」

 これから夏休みを迎え、旅行や帰省で人の行き来が活発になるうえ窓を閉めてエアコンをかけ換気がおろそかになりがちです。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「商業施設で冷えた状態であれば、人混みに応じてマスクを着けていただく。もしもこれがご家庭レベルの小さい室内であれば、できるだけ換気ですね。定期的にいったん窓を開けて空気を入れ替える。また閉めてエアコンを効かせていただく」