パリオリンピックで27日に初戦を迎える男子バレーボール日本代表、宮城県名取市出身の小野寺太志選手です。亡き先輩の思いを胸に、目指すは世界一です。
小野寺太志選手「宮城県になかなか帰れなくても、ずっと僕が帰る場所は宮城県だと思うし一番応援してくれるのは宮城県だと思うので、皆さんに喜んでもらえるように僕も頑張りたい」
東北高校出身の小野寺選手は、名門の東海大学を経て現在はV1リーグのサントリーサンバーズ大阪に所属しています。
速攻やブロックを担うミドルブロッカーで、日本の壁として2023年のオリンピック予選で活躍し6月は世界三大大会の1つネーションズリーグで日本を準優勝に導きました。
小野寺太志選手「少しずつですけど、世界に対して僕たちは勝ちを重ねていくことで自信をつけてきましたし、今の世界ランキング(過去最高の2位)にもなっていると思うので」
世界ランキング2位で過去最強の日本代表と呼ばれる中で挑む、自身2度目のオリンピック。小野寺選手には特別な思いがあります。
小野寺太志選手「間違いなくスタートは藤井直伸さんが作ったこのチームだと思うし、藤井さんが日本代表にくれた影響はとても大きなもので、藤井さん自身が一番出たかった大会だ思うし」
宮城県石巻市雄勝町出身の藤井直伸さんは、小野寺選手とともに日本代表として初出場した2021年の東京オリンピックでチームの司令塔セッターを務め、29年ぶりの決勝トーナメント進出に貢献しましたが2023年3月、胃がんのため31歳の若さで亡くなりました。
小野寺太志選手「ごはんも行きましたし、色々な所に遊びにも行きましたしずっと気に掛けてもらっていて。僕らもすごくエネルギーをもらいましたし、チームの雰囲気を明るくしてもらったと思います」
藤井さんの古川工業高校時代の恩師、佐々木隆義校長は、小野寺選手のことをうれしそうに話す藤井さんの姿が印象的だったと言います。
古川工業高校佐々木隆義校長「(生前、小野寺)太志とのコンビはどうなのかという話もしていて、すごく彼はいいんだと。本当にものすごいことですよ。対戦していた選手と自分の教え子が日の丸をつけて。(小野寺選手は)東京オリンピックとは数段レベルが上がっていると思いますね」
藤井さんの思い。佐々木校長は、これまでにないほど成長した選手たちの活躍を願っています。
古川工業高校佐々木隆義校長「日本が(パリ五輪)出場が決まった時の光景を見ても、何か一緒に出てくれているような。今の選手たちの中に藤井の気持ちや意思というものが伝わっているような感じがしている。自分のプライドを懸けて頑張ってもらえればと思っています」
小野寺太志選手「藤井さんの思いを背負いながら一緒に表彰台に登りたい。皆さんが期待されているのは金メダルだと思うので、金メダルを獲得して宮城県の皆さんに会いに行けたらと思います」