週明けの東京株式市場は、全面安の展開となりました。

5日の日経平均株価の終値は、過去最大の下げ幅を記録。4451円安い、3万1458円で取引を終えました。

投資家が集うバーでは、重い雰囲気が漂っていました。

投資家歴5年・会社員(29) 「軽めのポジションで、こんな100万の損失くらうなんて。こんだけしか入れてなかったら、せいぜい20~30万で収まるだろと。こんな数字、初めて見ましたし、なんか終わった感ありますよね」

2日に2216円安となり、衝撃が走った東京株式市場。5日は、その倍以上となる下げ幅となりました。1987年の『ブラックマンデー』の翌日は3836円安でしたが、これを上回り、下げ幅は史上最大になりました。

激しく動く相場に証券会社のコールセンターも、問い合わせが鳴りやみません。

コールセンター員 「3日で、こんなに下げるのは見たことないですから」 コールセンター員 「悪い材料が出ていて、どかんどかん売られているよりも、『何でだろう?』と言っているうちに、ここまで下がっている」

東証プライム市場では、“ストップ安”の銘柄が1割以上を占める激しい下落に。投資家だけでなく、街の人たちも驚きです。

NISA利用者 「びっくりはしていますけれど、これで離脱したら負けなのかなという気はしているので、早く忘れて、さっさと仕事に取りかかるという感じですね」

NISA利用者 「また、何年後か、元に戻るのかなというのを期待しながら、いまは長い目で見ています」

下落のきっかけの一つが、アメリカの景気後退懸念です。2日に発表された7月の雇用統計が市場予想を大きく下回り、株価が下落。その影響は、週明けの世界の株式市場にも広がりました。

韓国の株式市場も大荒れです。最悪の一日と評されるように、終値で史上最大の下げ幅を記録しました。

アメリカ市場の影響に加えて、日本では円高が進行。先週末と比べて6円近く上昇し、輸出関連企業の株価を押し下げる要因になったほか、日経平均への影響が大きく出るハイテク株の値下がりも株安に拍車をかけました。

みずほ証券シニアテクニカルアナリスト・三浦豊さん 「下落の要因がアメリカ株安と円高という外部要因なので、アメリカ株が下がったり、円高になったりすると、もう少し売られてしまう可能性はある。一方で、アメリカ株が下げ止まるとか、円高が止まることがあれば、かなり大きく下げているので、逆に大きく反発する可能性も十分あり得る」

政府は、株価の急激な落下に反応しました。

鈴木俊一金融担当大臣 「新NISAをきっかけに投資を始めた方々に動揺が生じているという報道も目にしています。引き続き、市場の動向を緊張感をもって注視している」

新NISAなどによって投資への関心が高まり、日本の個人の投資家は7000万人を超えています。資産形成に不安を感じる人たちも少なくありません。

大和証券・山田雪乃投資情報部長 「かなり悪材料は織り込んできたのではないかと。中長期的に見た企業業績の改善は、それほどブレていないのでは。短期の動きに惑わされずに投資できれば、恐らく積み立てNISAのような形で、毎月、少しずつ分散をして、じっくりと資産形成をしていけるのでは」