最高裁判所の戸倉三郎長官(69)は7日、退官するのにあたって会見し、「全力を尽くし思い残すことはない」と話しました。

戸倉三郎長官 「最高裁判事から始まり、最高裁長官という重い仕事を終える時を迎え、とにかくほっとしているというのが率直な心境です。自分としては責任感を持って全力を尽くしましたので、特に思い残すことはありません」

 最高裁の戸倉三郎長官は2017年に最高裁判事に就任し、2022年からは長官を務め、今月10日に退官します。

 今年7月には最高裁大法廷の裁判長として強制不妊手術を認めた旧優生保護法は憲法に違反すると指摘し、国に賠償責任を認める判決を言い渡しました。

 この裁判では、最高裁を訪れる障害がある人への配慮として法廷内に資料などを映すための大型モニターが配置され、車椅子用のスペースを拡充するなど大規模な特別措置が取られました。

 このことについて、戸倉長官は会見で「多くの職員が力を合わせて配慮をきめ細かく行い、誘導が整然と行われた」「大変、印象深く残っていて、改めて裁判はチームプレーと思った」と話しました。