今、外国の方に大人気となっているのが豆腐。取材してきました。

■世界が注目!日本の「TOFU」

 イタリアから来た家族。日本で食べたいものがありました。

イタリアから来た人 「辛いけどおいしい」

 真っ赤なスパイシーソースと麺の中に潜んでいたのは豆腐です。

イタリアから来た女性 「日本の豆腐は繊細。イタリアでは、こんなに柔らかくない。味も苦い」

 東京・恵比寿の豆腐料理専門店。豆腐目当ての外国人客でにぎわっていました。

韓国から来た人 「韓国は豆腐はおかずとして食べるが、ご飯の上に豆腐だけ乗せて食べる料理はない」 「うまみがあって柔らかくて香ばしくておいしい」

 世界が注目する日本の“TOFU”。オーストリアやドイツなどの15カ国は日本まで豆腐の製造現場を視察に訪れ、研究に余念がありません。

 一方、作る側も「豆腐愛」にあふれています。

豆腐職人 佐藤大空さん(22) 「元々、豆腐が好きで食べるのが好きで。作り方が分からないし、好きなものに携われれば良いかなと」

 22歳の佐藤さん。専門学校ではアニメ制作を学びました。

 豆腐職人の道に進みます。半年の修行で、豆腐作りもしっかり覚えました。ひと晩、水につけておいた大豆を機械でペースト状に擦り潰します。

 これを高温で煮込んで「おから」を取り除き、豆乳だけを抽出。豆乳ににがりを入れて固めるとでき上がりです。

佐藤大空さん 「楽しいです。毎日、豆の状態でちょっと変わる。そこがちょっと難しい。自分が作ったものをおいしいと言ってもらえたらうれしい。海外の人にも人気が出ると良いな」

 ただ、新鮮な豆腐を海外で食べてもらうためには、高い壁がありました。

全国豆腐連合会 東田和久会長 「船に乗って1週間かけていくデメリットがある。3週間の消費期限を設定して、うち1週間が輸送でとられる」

 豆腐は冷蔵が必要なうえ、長期保存も効きません。輸出には不向きなのです。

 その常識を覆したのが常温で保存ができて、賞味期限が1年もある「スーパー豆腐」。支えていたのは日本の技術力でした。

■「スーパー豆腐」常温&長期保存が可能に

 海外への輸出が不向きだった日本の豆腐。その壁を乗り越えたのが日本の技術力でした。

 徳島県の企業が開発したのが、常温保存ができて賞味期限が1年もある「スーパー豆腐」です。

さとの雪食品株式会社 作田理さん 「殺菌技術、パッケージ技術、製造技術を駆使して作ったものがこの紙パック豆腐。豆乳を高温で熱処理することで無菌化しています」

 常温で保存できる秘密は銀色のタンクにありました。蒸気で豆腐の原料を高温殺菌、常温で繁殖する微生物を完全に取り除きます。

 そして、長期保存を可能にしたのが豆腐を入れる容器です。痛みの原因となる光や酸素を特殊な紙パックでシャットアウト。

 こうした技術力で保存料を使わなくても常温で長期保存できる豆腐を輸出できるようになったのです。

作田理さん 「約10年で約10倍の売り上げ。海外客にも豆腐を認知いただけたと思う」

 海外で新鮮な豆腐を作る動きもあります。

 茨城県の企業はスペインに店を構え、毎朝、職人が豆腐を手作り。今後、フランスやオランダへの進出も計画しているということです。