熊本県天草市の轟の滝で水遊びをした後、体調不良を訴える人が相次いでいます。

今月13日、高校生7人が川遊びをしました。3日後、全員が、おう吐や下痢の症状で医療機関を受診。その後も、体調不良を訴える人が増え、109人に上っています。

天草市出身・川遊びをした学生(19) 「(川遊びから)2日後の夕方に症状が出てきた。まず寒気がきて、その次に熱が出た。次の日には頭痛と腹痛、下痢とおう吐が出た」

男性は、14日に友だち4人で訪れました。その後、友人も、発熱や胃腸炎を起こしたそうです。

天草市出身・川遊びをした学生(19) 「しんどかった。立つのはきついので、ずっと横になっていて、おなかが痛いので、トイレ行ったりを繰り返している。2~3日はそんな感じだった」

川の水を原因とする感染症の恐れがあるとして、熊本県は、遊泳や水遊びを控えるよう呼び掛けています。

熊本県健康危機管理課・嶋田敬英さん 「人から人への感染はよく聞くが、水を介しての感染は、最近の事例はない。川とか海の中には、さまざま細菌やウイルスがいるといわれている。粘膜や傷口から入っていくというリスクはある」

注意点として、川の水は飲まない、傷がある状態で川に入らない、川の中でけがをしないことを挙げています。

天草市出身・川遊びをした学生(19) 「飛び込みとか泳いだりしました。(Q.水を飲んでしまった感じ)泳いでいる最中に口に入ってきた感じですね。わざととかではなく」

水質環境学を専門とする熊本大学の川越教授は、こう話します。

水質管理に詳しい熊本大学・川越保徳教授 「そもそも川の水で、下痢とかおう吐とか、体調不良が起こるって、日本ではあまり聞いたことない。温度が高くなる、雨が水量が少なくなる、よどむは、よろしくないと考えて良い」

轟の滝に近い観測ポイントでは、今月1日から14日まで、連続で猛暑日。また、降水量もほぼゼロが続いていて、川の水質には、よくない状態だといいます。

水質管理に詳しい熊本大学・川越保徳教授 「(川の水が)交換していかない、リフレッシュしていかない。(水温が)25度を超えてくるとかなってきているのであれば、微生物、よろしくないバクテリアとか、そういうものが増えやすくなります」

さらに、滝にも関係がある可能性を指摘しています。

水質管理に詳しい熊本大学・川越保徳教授 「水しぶきだとか、あるいは細かいミストみたいなものが舞っているような状態。それを鼻あるいは口から吸いこむようなことがあるならば、あくまで水が原因の場合、それを吸い込んで、大きな人数になったか。だから滝って状況は、普通の川の水と違ったのかなと」

考えられる原因について、感染症の専門家は、こう話します。

順天堂医院感染制御学・堀賢教授 「いろんな可能性が考えられます。一つは、川の水を飲み込んで感染する感染症。レプトスピラ症、クリプトスポリジウム症、ジアルジア症。また、吸入して感染するもので、レジオネラ症があります。滝になると、エアロゾルが出てきますので、エアロゾルの中に含まれるばい菌を吸入して感染することもあります。複数の感染症が関与している可能性も否定できませんし、もう一つは、感染症以外に、例えば、自然環境由来の物質に対するアレルギーとか、そのものによる健康障害、これらを検討していく必要があります」

県は、今後、感染症の結果を公表する予定です。