アメリカの景気が後退するという懸念から外国為替市場ではドル売りが進み、円相場は一時1ドル=142円台に迫りました。

 製造業の景況感を示す経済指標や求人件数が市場の予想を下回ったことなどからアメリカの景気が後退するとの懸念が広がり、外国為替市場ではドルを売って円を買う流れが強まりました。

 また、日本で5日発表された毎月勤労統計調査の数字が市場予想を上回ったことも、円高の加速に拍車を掛けているとみられています。

 6日に発表されるアメリカの雇用統計の結果が市場予想を下回れば、さらに円高が加速する可能性もあります。

 三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリストは、「アメリカの求人数が下がるトレンドは分かっていたが、想定以上だった。先月1ドル=141円まで円高になっているので、ここが今週中の1つの注目ラインになる。ここを抜ければ1ドル=139円台も見えてくるのではないか」と分析しています。